出羽三山にて

出羽といへる は、「鳥の毛羽をこの国の貢に献(たてまつ)る」と、風土記にはべるとやらん。月山・湯殿を
合わせて三山とす。(中略)霊山霊地の験効、人貴(たふと)びかつ恐る。繁栄長(とこしなへ)にして、め
でたき御山と謂つつべし。
                                                  (「おくのほそ道」より)

明くる八月、出羽三山に詣ず。雲多く夏の趣き薄けれど、神域の空気に心身洗わるる心地覚 ゆ。月山に
て雲海を辿り、天への片端に達す。その眺めまさに天上なるも俗界への未練断ちがたく、達観への道遠
きことに苦笑せん。




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羽黒山の麓にある大鳥居付近から見た鳥海山。今回の撮影ではずっと雲がかかっていて、はっきりと鳥海山を拝むことは出 来ませんでした。


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芭蕉が宿泊した宿坊近くにある黄金堂にて。残念ながら芭蕉が滞在した宿坊・呂丸宅は現存せず、今は看板が立っているの み。


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羽黒山登拝口を入り、石段を下ると見えてくる須賀の滝。


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国宝にも指定されている羽黒山五重塔。


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同じく五重塔。


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塔を過ぎると、ここからは二千段以上に及ぶ長い石段を登ることに。


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石段中腹あたりからの鶴岡方面の眺め。遠く日本海も見えます。


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石段を登り切った山頂にある羽黒山神社。今では出羽三山神社にもなっています。


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羽黒山山頂にある芭蕉像。ここで芭蕉が詠んだ句は「ありがたや 雪をかをらす南谷」と「涼しさや ほの三日月の羽黒 山」。


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羽黒山山頂近くから見た月山。ちなみに今は長い石段を登らなくても、有料道路を使って車で山頂まで行けたりします (笑)。


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ところ変わって湯殿山入口の大鳥居。この先は撮影禁止、中の様子も他言無用とされています。私が訪れた時は山に着いた 途端霧と雨に包まれて、参拝を終えたら晴れたという神秘的な天気でした。


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同じく湯殿山大鳥居。芭蕉もここでのことは一切語らず、詠んだ句も「語られぬ 湯殿にぬらす袂(たもと)かな」となっ ています。


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日付変わってここからは月山登頂。現在八合目までは車で上れます。その途中、七合目あたりの景色。


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八合目からはいよいよ徒歩での登山。このあたりは弥陀ヶ原と呼ばれ、高山植物の群生地としても有名です。


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弥陀ヶ原から先は本格的な山道となり、岩場の細い道をひたすら進むことに。


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まだ八合目あたりの様子。


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九合目との中間にて。


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九合目近くの賽の河原にて。出羽三山信仰では月山で一度死者の世界へと行き、湯殿山で再生すると言われています。この 日はまさに彼岸のような光景でした。


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九合目を過ぎて山頂へと向かう途中。分厚い雲が切れて、ようやく青空が見え隠れするようになりました。


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同じく九合目あたりで。


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九合目と山頂の中間、一度道が平坦になったあたり。殆ど雲の中を歩いているような感じでした。


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8月でも残雪の点在する山頂付近。


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同じく山頂付近。


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山頂にて。右上に見えるのが月山神社。ちなみにここも撮影禁止でした。


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月山神社入り口から見た山頂の様子。ここで芭蕉が詠んだ句は「雲の峰 いくつ崩れて月の山」。


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同じく山頂にて。


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山頂から見下ろした山々。雲の流れが速く、これを撮った直後にはすっかり雲に覆われて見えなくなってしまいました。


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最後は六合目あたりから見た庄内平野。遠く僅かに鳥海山の稜線が確認出来ます。








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