象潟にて

その朝、天よく 霽(は)れて、朝日はなやかにさし出づるほどに、象潟に舟を浮かぶ。(中略)江の縦横
一里ばかり、俤(おもかげ)松島に通ひて、また異なり。松島は笑ふがごとく、象潟は憾(うら)むがごと
し。寂しさに悲しみを加へて、地勢魂を悩ますに似たり。
                                                (「おくのほそ道」より)

秋の中頃、遊佐・象潟を訪ねける。風強く雲千々に乱れ、波高く白き波紋の絶えることな し。寂寞に郷愁
を混ぜて、陽は彼方へと没す。この荒々しさこそまさに日本海なるべしと、心象の風景にも似た有りよう
に、旅の一つの終着を見ゆ。




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芭蕉が象潟(きさかた)へ向かう途中、悪天候で足止めされ宿泊した吹浦(ふくら・現在の山形県遊佐町)にて。吹浦から 見た酒田方面の日本海。


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吹浦にある芭蕉句碑。酒田で詠んだ「あつみ山や 吹浦かけて夕涼み」が刻まれています。


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吹浦の海岸にある十六羅漢。岩場に十六体の羅漢像が彫られています。


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同じく十六羅漢。


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山形県と秋田県の県境にまたがる三崎公園にて。江戸時代ここには関所がありました。


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三崎公園の遊歩道から見下ろした岸壁。2時間サスペンスドラマのクライマックスにでも出てきそうな雰囲気がありました (苦笑)。


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かつて「有耶無耶(うやむや)の関」があったあたりで。


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芭蕉が歩いたとされる、三崎峠の旧街道。


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県境を越えて象潟へ。芭蕉が宿泊した邸宅の近くにある、日本海へと突き出た物見山。


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芭蕉が訪れた蚶満寺(かんまんじ)の入口にて。走っているのはJR羽越本線の列車。


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蚶満寺の山門。


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蚶満寺にある芭蕉像。ここで詠んだ句は「象潟や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」。


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蚶満寺の本堂。


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蚶満寺の庭園にて。


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蚶満寺の芭蕉句碑。


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蚶満寺から見た象潟九十九島。かつてここは松島と同じく、海に大小の島々が浮かぶ名勝でした。芭蕉も舟に乗ってこの寺 を訪れています。


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私の愛車・MAXたん(笑)に写り込んだ蚶満寺の並木と青空。


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小高い場所から見た象潟九十九島。木々が密集しているのが、かつて島だったところです。


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象潟九十九島からの鳥海山の眺め。セピア調に仕上げてみました。


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鳥海山の麓の坂道で。海の彼方に見えるのは、酒田市の飛島。


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登山口へと至る鳥海ブルーラインの入口近くから見た鳥海山。


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早くも少し雪が積もっている鳥海山山頂。


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鳥海山に連なる仁賀保(にかほ)高原から眺めた象潟。島々だったところが多少は分かりやすいかと。


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暮れ始めた象潟の空。


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夕暮れ近い象潟の海。


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斜光に色づく日本海。


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最後は象潟の夕暮れ。






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