おもひで

だいありーの過去ログです。

13/12/22

 小雪の舞う寒い週末でした。

 「アウトブレイク・カンパニー」11話。新刊の不足で学校の生徒達がオタク文化の飢餓状態に。
だがそれこそが日本政府の狙いで・・・。
 ネタに走りがちだったシリーズ後半でしたが、いよいよシリアス展開に。皮肉とも取れそうなブ
ラックな種明かしに、やっと榊氏の本領発揮と感じてニヤリとしてしまいました。元々原作はこう
いう作風だったのでしょうけど、アニメ版はスタッフが悪ノリしたこともあってか、ある種の意趣返
しに感じられなくもなかったり?パロディネタ満載の萌え描写に期待していた人達は落胆してい
るようですが、個人的にはここからどう逆転するのか楽しみです。

 「ドキドキ!プリキュア」45話。三種の神器の王冠の力によって真実を知った小学生プリキュ
ア。そして一人ラスボス娘との対決に臨んで・・・。
 風呂敷のたたみ方が性急すぎるような。ここまで一気に話のまとめに入るとは思いませんでし
た。やっぱり今期は基本設定の消化だけで手一杯な印象が拭えないかと。せめてもう少し小出
しに伏線を入れてくれていれば、多少なりとも唐突感が薄れた気がするのですが。10周年作品
ということで、あれもこれも盛り込みすぎちゃったということでしょうか。次回作はかなり作風が変
わるみたいなので(「仮面ライダーBLACK RX」みたいに何種類かの衣装にフォームチェンジす
る模様?)、これまでの総決算として綺麗に締めてほしいものです。


13/12/25

 今朝は盛岡の藪川でマイナス18度の冷え込みだったとか。雪は降らないものの寒さはずっと
続いている感じです。

 「境界の彼方」最終話。ここまで説明不足のまま終わるとは。監督とシナリオライター以外で最
終回の展開をちゃんと理解出来る人っていないのでは、と思えるほど不親切な作りだったように
思います。前回の感想でも書きましたけど、監督の中だけで勝手に盛り上がって満足して終わっ
たような、そんな印象を受けてしまいました(監督は自分でコンテ切りながら泣いていたとか)。周
りで誰かその辺を指摘する人はいなかったんでしょーか。
 シリーズ前半は想像で補う必要が多少あるにせよそれなりに楽しめたのですが、後半は回を
重ねる毎に説明不足な部分が増えていって、結局それらは語られることのないまま終了すること
に。スタッフ内では意思疎通があったのかもしれませんけど、視聴者に伝えることがすっかり抜
け落ちていた感が拭えませんでした。この作品に限らず、最近は「相手に分からせること」が下
手すぎる作品が目につく気がするのですが、今のアニメ業界全体でコミニュケーション能力が低
下してきているのではないかと心配になってきたり(苦笑)。京都アニメがアクション中心のシリア
スストーリーに挑んだ意欲作ではありましたが、「やっぱり京アニは日常系のほうが向いている」
という烙印を押される結果になってしまった気がします。

 「蒼き鋼のアルペジオ」11話。アメリカへ向かう途上、再度姉妹艦と戦闘に。メインヒロイン戦
艦娘は内心戦いたくないと思うものの、互いに攻撃の手を緩めることはなく・・・。
 パワーアップ回における主人公補正ありまくりのエピソードでした(笑)。ただ、メインヒロインが
ここに来て戦闘に拒否反応を見せたのは少し意外だったかも。芽生えた感情が育ちすぎて戦闘
マシーンとしての能力を失うというのは割と定番の展開ですけど、さすがにこれがきっかけで主
人公達と齟齬をきたすなんてことはないと思いたいですが、さて。てか、残りあと1話でそこまで
やってる暇はなさそうですね(笑)。

 「ぎんぎつね」最終話。夏越の祓(なごしのはらえ)を1話かけてじっくり描くという、アニメ史上初
(?)の最終回でした。「終わりよければ全てよし」ではないですけど、後味の良いラストだったの
で心地よく見終えることが出来たように思います。
 基本的には神社を中心とした日常を描く作品でしたが、時折妙に重い設定が顔を覗かせるこ
とがあって、終始まったりという訳でもないあたりが特色だったかと。特に主人公以外は屈折気
味なキャラが多く、ギスギスした人間関係が割と目についたような。人間の愚考を神使が泰然と
見守る、みたいな作風を意図していたのでしょうか。もう少し平和な展開の作品かと思っていた
ので、その辺は予想外でした。個人的には神社や神道を題材にした作品は好きなので楽しめま
したが、そういう方面に興味のない人達はどう感じたのか興味のあるところです。

 33年ぶりに「DAICON FILM」が復活?でも当時のスタッフで今のガイナックスに残っているの
は山賀氏と赤井氏くらいのような。新作をやるつもりなのか、はたまた当時の映像をブルーレイ
でリリースする程度なのか、どうなることやら。
 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/20131225_628917.html


13/12/27

 予報によると寒波到来の年末になるとか。帰省の人は大変そうです。

 「のんのんびより」最終話。1話と同様に、たっぷりと時間をかけて早春の風景を映す贅沢な作
りの最終回でした。もっとも、3月に残雪がないということは西日本が舞台なのかな〜とか、余計
なことを考えながら見てしまいましたが(笑)。それと、中2ヒロインの作った殺人手料理弁当をひ
たすら食べ続ける転校生ヒロインの姿に、「もういい、お前はよく頑張った」と労いたくなったり。
アニメやマンガではよくある設定ですけど、普通は味見しながら作るからそこまで不味くはならな
い気がするのですけども、実際にそこまで料理が下手な人って実在するんでしょーか。
 事前の予想通りに田舎礼賛的なアニメでしたが、過度に美化しすぎないバランスで描いていた
のが好印象でした。ただ個人的には作中に出てくる田舎の有様が普通に見慣れたものだったの
で(苦笑)、特別に田舎が素晴らしいとか新鮮だとか感じられなかったのがやや残念?都会オン
リーで暮らしている人達の感想を聞いてみたいと思ったり。作画も演出もシリーズを通してとても
丁寧で、その点はかなり評価出来る作品だったのではないかと。原作ストックをだいぶ使い果た
したそうですが、既にOVAの制作が決定していたりと、まだまだ続くシリーズになりそうな気がし
ます。

 今年最後の「ふぉとふぉと」更新。2年ぶり(!)となる「仙臺のすたるじぃ」の新作です。今回は
青葉区の第二弾で、10年9月、同年11月、11年9月、同年10月、13年11月に撮影したもの
から抜粋。青葉区は季節毎にまとめるというコンセプトでやっていて、第一弾の夏に続いて今回
は秋編となります。
 紅葉シーズンということで郊外の景色は一番見栄えのする時期のはずなのですが、今ひとつイ
メージを掴みきれないまま終わってしまったという反省があったり。元々街角スナップという意識
で臨んでいるテーマなので、いつもの風景撮影と同じではイカンと考えながら撮っていたら、どっ
ちつかずになってしまったというか。もっとも、当初は単純にノスタルジックな景色を捜すはずだ
ったのが、次第に実験的な構図や抽象的な撮り方を模索するようになって、自分の中では一番
“とんがっている”テーマになってきていると感じていたりもするのですが。なので、そんなカオスっ
ぽい曖昧さも含めて、普段色々と試している手法を盛り込みつつ、ある種の総決算的なものに
出来たら良いかなと、最近はそんなことも考えているところです。
 昨今のガソリン価格高騰の煽りを受けて以前よりも撮影ペースは落ちていますが、ともかくこ
のテーマはマイペースで続けていきたいと思っています。何より、震災前に撮ったストックがまだ
あったりするので、それらをちゃんと仕上げて公開しないうちは終われません(笑)。


13/12/29

 一気に雪が降り積もって冬景色になった週末でした。

 「アウトブレイク・カンパニー」最終話。シリアス一辺倒になりそうな政治劇を、こまめにギャグを
挟むことで上手くエンターテインメントにしていた最終回だったと思います。自衛隊や日本政府が
ステレオタイプな悪役に描かれていたのが不満な方々もいるようですが、ラノベ作品としてはこ
れくらい分かりやすい設定でも構わないと感じたり。ギリギリまでピンチに陥ってからのどんでん
返しは見事でしたし(「スクラップド・プリンセス」や「ポリフォニカ」ゲーム版1作目も似たような構
成ではありましたけど)、今期のアニメの中では特に綺麗に終わった作品だったのではないか
と。何より、メインヒロインが今時珍しい健気で一途な子で、めっさ可愛かったのが実に素晴らし
かったです(笑)。
 ちょっと微妙なキャラデザやオタクネタ満載のストーリーで最初はキワモノっぽい印象でした
が、榊氏らしいギャグとシリアスのバランスや、相変わらず容赦なく重い設定を入れてくるあたり
で、単なるパロディ作品とは一線を画す出来だったように感じました。ただシリーズ後半はアニメ
スタッフが暴走気味だったみたいで、声優繋がりで他作品の台詞を言わせまくったり、タイムリー
なネタを詰め込んだりと、お遊びが過ぎる気がしなくもありませんでしたが(ラスト2話で強引に軌
道修正して本来の作風に戻した気も?)。それでも個人的にはかなり面白い作品でした。

 今週の「ドキドキ!プリキュア」はお休み。既に次回作の情報があれこれと聞こえてきています
が、今度は世界中にプリキュアがいる設定だとか。そのうちプリキュア同士で戦ってキング オブ
プリキュアを決めるような展開には・・・さすがにならないでしょーね(それじゃ「Gガンダム」だって
ば)。

 今月のステレオ誌付録のデジタルアンプ、2ちゃんねるの専用スレッドでは微妙に評判が悪い
みたいですけども、個人的には前モデルよりもちゃんとグレードアップしている印象です。“あくま
で私の環境では”という前提付きですが、解像度が上がって定位感が良くなっていますし、立体
感が増して以前よりも音に奥行きを感じられるようになりました。もっとも繋いでいるのがサブで
使っているJBLのCONTOROL ONEで、これが癖のありまくりなスピーカーなので(得意不得意の
ジャンルがはっきりしていて、けして万能型とは言えないかと)、他の方々とは印象が異なる可能
性はおおいにありそうですが(苦笑)。2ちゃんねるのスレッドでは前モデルのACアダプターを繋
いだほうが音が良いという感想もあるようですが、とりあえず現状のままもう少し使い続けてみる
つもりです。


13/12/31

  久しぶりに穏やかな日差しが降り注いだ大晦日でした。

 「蒼き鋼のアルペジオ」最終話。原作がまだ続いているのできっちり話が完結するとは思ってい
ませんでしたが、それなりに綺麗に区切りをつけた印象でした。上手いこと「太平洋編 完」みた
いなラストで、2期があるとしたらアメリカ編とか世界編みたいな感じで再スタート可能なのではな
いかと思えたり。敵の正体が分からず終いだったのは少し残念でしたが、原作だとその辺が多
少なりとも語られているのでしょうか。
 オールCGアニメということで1話を見た時は違和感がありましたけど、話が進むとそれも気に
ならなくなり(むしろ手描き作品よりもエロいと思える場面も?)、ストーリーの面白さにどんどん
引きこまれた作品でした。ほぼアニメオリジナル展開だそうで原作ファンは色々と不満があった
ようですが、これまでも手堅く原作付き作品をまとめてきた岸監督らしい堅実な構成だったと思
います。もっともシリーズ後半は毎回のようにオープニングをカットしてまで本編の尺を稼いでい
たので、割と危ういバランスで1クールに話を詰め込んだのかもしれませんが。SFとしては古典
的とも言える題材でしたが、戦艦や潜水艦を萌えキャラにするという今時の要素(笑)を取り入れ
ることで、新鮮味のある作品に仕上がっていたのではないかと。

 んでもって、今年の締めとして大晦日恒例(かもしれない)個人的アニメランキングをば。

 1位 アイカツ!(1期)
 2位 きんいろモザイク
 同率3位 たまゆら 〜もあぐれっしぶ〜
    〃   はたらく魔王さま!

 今年はこんな結果になりました。「アイカツ!」(現在も放送は続いていますが、あくまで1期限
定ということでノミネート)は毎週感想を書いていないのにいきなり1位になってしまいましたが
(苦笑)、とにかく話の面白さが安定していて、1年で「プリキュア」シリーズの売り上げに並ぶ人
気作になったというのも納得の出来かと。シリーズ序盤こそ地味なストーリーとショボいCGで微
妙な印象でしたが、12話のクリスマスエピソードで一気に弾けて(壊れたとも言える?)、以降は
開き直りとも思えるような怪エピソード(笑)、そして名エピソードが続出。何より見ていて楽しいと
いう、アニメ本来の娯楽性を毎週しっかりキープしているのが素晴らしいです。シリーズ開始前
はドロドロした人間関係も盛り込む予定だったそうですが(序盤にそれらしい伏線あり)、1話が
放送された段階で大きく方針変更を決断したそうで、結果的にそれが大正解に。あれだけ多くの
キャラを揃えていながらイヤな印象の人物が一人もいないという清々しい作風によって、毎回と
ても爽やかな気分で見終えることが出来る希有な作品となりました。低年齢層向け番組ではあり
ますが、老若男女問わずお勧め出来る作品だと思います。継続して放送中の2期も同じ方向性
をキープしているので、このまま順調にシリーズを進めてほしいものです。それと毎週のようにレ
ベルアップしてゆくCGも特筆ものかと。1期1話と今とでは別作品のようにCGが進化していたり
(笑)。この辺にもスタッフの不断の努力を垣間見ることが出来そうです。
 2位の「きんいろモザイク」はまさに理想的な原作付き作品のアニメ化といった感じで、他の作
品も全てこのレベルで映像化していれば悲しむ原作ファンもいないだろうに(苦笑)と思えるほど
丁寧にアニメ化していると感じました。エピソードの順番を入れ替えて4コマ漫画をちゃんと30分
作品としてまとめている構成も見事でしたし、オリジナル要素を入れながらもしっかり原作を尊重
する方向で作っているのも良かったかと。今年は原作付き作品ですら酷すぎる出来のものが目
についただけに、一層この作品が光って見えた気がします。
 同率3位の「たまゆら 〜もあぐれっしぶ〜」「はたらく魔王さま!」も多少粗はあったものの楽し
めた作品でした(「たまゆら」は欲を言えば新キャラをもっと活かしてほしかったですが)。どちらも
ストーリー・映像とも見所があって、充分お勧め度の高い作品だったと思います。

 今年は作画レベルが全体的に向上したものの、ストーリーに関しては酷くなる一方だった印象
があります。オリジナル作品は言うに及ばず、原作付き作品ですら意味不明なダイジェスト状態
のものが散見されて、原作の販促にすらなっていないのではないかと思えてしまったり。シナリオ
ライターは万年人手不足なんて話も聞きますけど、何故普通に起承転結のストーリーが書けな
いのでしょうか(それとも監督の責任?)。昔は当たり前に描けていたのに、いつからそれがハイ
レベルな難題になってしまったのやら。インパクト重視の話作りばかりが横行して、視聴者にちゃ
んと分からせることを放棄しているうちに、まともな話を作れなくなっているのが今の惨状なので
はないかという気がしなくもないのですが。そしてユーザーもバカではないので、現にブルーレイ・
DVDの売り上げは惨憺たる有様で、ヒット作は数万枚売れる反面、不人気のものは数百枚しか
売れないという両極端な結果になっている模様。億単位の予算を注ぎ込んで売り上げが数百枚
では赤字なんてレベルじゃないと思うのですが(そのリスクを回避するための委員会制度なんで
しょうけど)、そんな利益でもスポンサーが出資を続けるのが不思議でなりません。
 もちろん全ての作品がそうだったという訳ではなく、今回選んだ作品も含めて、きちんと完成度
の高い作品もあります。けれどもその数が年々減っているように感じられて、「悪貨は良貨を駆
逐する」みたいなことにならないだろうかという懸念があったり。私みたいな素人が指摘するまで
もなく現場の人達は危機感を抱いているのかもしれませんが、もう少し素直に楽しめる作品が増
えてほしいものです。
 今年の総評は批判めいたものになってしまいましたが、来年はロボットアニメが随分と増える
ようですし、恐らく富野監督の「Gレコ」もあるので、個人的に興味を惹かれるタイトルが多い・・・
といいなぁ(笑)。

 それでは皆様、よいお年を。


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