おもひで

だいありーの過去ログです。

16/06/01

 6月は少し肌寒い曇天でスタート。そろそろ梅雨入りが気になる頃合いでしょうか。ちなみに今
月の写真は地元で撮った藤の花です。

 「マクロスΔ(デルタ)」9話。以前の戦闘で凶暴化するウィルスに罹患していたメッサー。だがハ
ヤテ達に病気のことは黙っていてくれと頭を下げ・・・。
 さすがにすぐさま死亡フラグ回収とはならなかったようで。今回はむしろ、フレイアが急に恋愛を
意識しだしたのがちょっと唐突な感じでした。短命な種族で元々行き遅れな年齢ですし(なんとなく
「オーガス」のエマーン人を思い出したり)、密かに結婚をあせっていたのかもしれませんが。ここ
からシリーズ伝統の恋愛三角関係突入といったところでしょうか。

 少し間があいてしまいましたが、「アイカツ!」雑感。藤堂ユリカ様についてです。ちなみに、シー
ラ様やディアナ様と同じく、ユリカ様は様付けがデフォなのでご注意を(笑)。作中でもアイドル番組
の司会者でさえユリカ様と呼んでいるほど徹底されていたりします(他のアイドルは「○○さん」や
「○○ちゃん」)。
 藤堂ユリカ様はシリーズ1期の19話から登場。自らを600年生きる吸血鬼の末裔と称し、常に高
飛車なバンパイアキャラを演じ続ける“なりきり型”のアイドルとしてインパクト大な初登場でした。
外出する時はいつも日傘を差し、人前ではトマトジュースだけを飲み(本人は生き血と言い張って
いますけども)、夜は獲物を求めて徘徊し、寝る時は棺桶の中という徹底した役作りにいちご達は
感心しますが、ぶっちゃけ第一印象は相当な色物キャラという感じでした。実際スタッフもそういう
認識だったようで、以降も何かにつけてオチ担当だったり、吸血鬼キャラをアピールしようとすると
誰かに邪魔されたりと、1期はコメディリリーフの役回りが多かったように思います。オーディション
の時でさえ日傘を手放さず失格となったり、ライブツアーで全国を回る時にも棺桶を持ち歩いたり
と、迷シーンも割とありました。
 そんなユリカ様ですが、人前での高圧的な言動とは裏腹に、プライベートでは真面目で奥手な眼
鏡っ娘(はい、ここ重要ポイントです。眼鏡っ娘は人類の至宝です)だったり。しかも吸血鬼が苦手
とするニンニク入りのラーメンが大好物という一面も。初登場回では役作りに熱中するあまり自室
でボヤ騒ぎを起こして意気消沈し、いちご達に素顔を知られることに。続く20話では週刊誌に素顔
をスクープされ、ショックのあまり引退まで決意したりと、当初は役作りと素顔の間で揺れ動く女の
子でもありました。
 けれどもそんな20話が、1期前半でもとりわけ名エピソードだったりします。一度は引退を考える
ユリカ様でしたが、応援してくれるファンのことを思いだし、スキャンダルに負けない強い自分にな
ろうと再び立ち上がります。そして自信を得るきっかけを作るため、愛用する衣装ブランド・ロリゴ
シックのデザイナーにプレミアムドレスを作ってほしいと直談判へ。デザイナーの屋敷はホラーハ
ウスまがいの仕掛けやトラップがあって色々な妨害に遭いますが(デザイナー曰く、プレミアムドレ
スを欲するアイドルの決意の強さを計るための試練だそうな)、デザイナー本人に対し自分の意
志の強さを示し、ユリカ様は見事プレミアムドレスを手にすることに成功します。そしてドレスをまと
いライブを終えた後には、スキャンダルさえキャラ設定の一つに取り込む(あの素顔は数百年に
一度しか見せないレアな姿だと)成長ぶりを見せてくれました。
 そのまっすぐな想いの強さが小さな子供達の心にも届いたのか、ユリカ様は登場してすぐにキャ
ラクター人気1位の座を獲得します。これはスタッフにとっても全くの予想外だったそうで、キャラク
ター設計の難しさが分かる好例ではないかと思います。もちろんゴスロリキャラという外見や、ど
んな相手に対しても強気で言いたいことをはっきり言う性格等が小さな子供達にとって憧れの対
象になりえたという側面はあるのでしょうが、3期以降ユリカ様の後継者的ポジションだった氷上
スミレがスタッフの思惑ほど人気が出なかったあたり、どうも人気の要因はそう単純でもないよう
で。大きなお友達的には受ける要素が沢山あるので、そっち方面でのユリカ様人気はよく分かる
のですが(苦笑)。
 ただユリカ様の場合個別エピソードの完成度の高さや、何よりソロ曲が神懸かり的に名曲だっ
たということもキャラ人気に繋がったと言うことができるかと。そのあたりも少し触れておきたいの
ですが、長くなりそうなのでまたも次回へ続きます。


16/06/05

 関東まで一気に梅雨入り。東北地方も近いうちに、という感じでしょうか。

 「クロムクロ」9話。富山に敵ロボットが3体襲来。けれども由希奈が行方不明のためクロムクロ
は出撃できず・・・。
 由希奈の立ち直りは思ったよりあっさりめだった気も?消息不明の父親に関する伏線とか、重
要そうなネタもちらほらとありましたが。むしろボディラインが出そうなパイロットスーツを抵抗なく
着たことや(笑)、敵を倒すことにためらいがなくなったことのほうが意外だったかも。その辺の割
り切りの速さは現代っ子らしいと言えなくもないでしょうか。
 相変わらず敵側の言動がギャグ一歩手前状態に見えてしまいますが、地球側と接触したことで
次回以降は違った面が見えてくるのやら。

 「カードキャプターさくら」新シリーズの連載が「なかよし」で始まり、アニメ化も予定しているそう
な。アニメ版のスタッフやキャストをもう一度集めるのは大変そうですけど(川上とも子さん・・・)、
まるっと一新してしまう可能性もありそうな気が。今後の情報に注目したいところです。
 http://natalie.mu/comic/news/189463


16/06/08

 湿度が高く蒸し暑い感じの一日でした。既に梅雨入りしたかのような感覚です。

 「マクロスΔ(デルタ)」10話。病状を悪化させないため遠くの星へ転任することになったエース
パイロット君。転任前日、ハヤテ達は彼とカナメを二人きりにさせようと画策するが・・・。
 前半は「宇宙版ときめきメモリアルかよ」と思いながら見ていたのですが(笑)、後半は・・・。前回
フラグを回避できたと安心していたのに、結局フラグ回収ですか。やはり前作の「F」より話の展開
が早い感じがします(「F」でレギュラーキャラが退場し始めたのは20話あたり)。シリーズ後半はも
っと大きく話が動くのでしょうか。
 ネット上の指摘を見て気付いたのですが、そーいや今作はタイトルであるマクロスが今のところ
全く活躍していないような(苦笑)。このままではタイトルを「バルキリーΔ」にしないとタイトル詐欺
と言われてしまいそうです。

 「アイカツ!」雑感。藤堂ユリカ様の人気の一因となったのは、個別シナリオの面白さやソロ曲
のレベルの高さもあったのではないかという話題の続きです。
 シリーズ2期の89話は、前回紹介した20話と対になるユリカ様の個別エピソード。今や名実共に
人気アイドルとなったユリカ様。ファンとの握手会で、彼女はとても奥手で恥ずかしがり屋の小さな
女の子と出会います。ユリカ様が話しかけても、女の子はうつむくばかり。そして時間切れとなり
他のファンと交代する直前、女の子は「どうしたら私もユリカ様みたいに強くなれますか?」と尋ね
ますが、ユリカ様はとっさに答えることが出来ず、それが心残りとなってしまいます。新しいファン
はスキャンダルで引退まで決意するほど思い詰めていた頃の弱いユリカ様を知りません。ユリカ
様は昔から強く孤高のアイドルであったと、そんなイメージがいつの間にか出来上がっていたこと
に、彼女自身改めて気付かされます。だからこそ、昔の自分によく似ているあの女の子の問いに
ちゃんと答えたいとユリカ様は決意することに。
 新作ドレスのお披露目ライブの日、いちご達に手伝ってもらい、ユリカ様はもう一度あの女の子
と会うことに成功します。その際、ユリカ様は眼鏡をかけ髪をおろした素顔で女の子の前に登場。
そして驚く女の子に対し、「もしも今とは違う自分になりたいなら、まずは少しだけ自分を変えてみ
るの。いつもより10分早起きするとか、勇気を出して今より大きな声でおはようって言ってみると
か。かわいいお洋服をね、着てみるのもいいかも。そしてある日鏡を見るの。きっと違う自分、憧
れていた自分に会えるから」と言いながら、いつものバンパイアキャラへとメイクを完了します。こ
のシーンは弱い自分から強い自分へ変わるというテーマを、作画と台詞の両方で表現した屈指の
名場面で(それまでずっと前髪で隠れていた女の子の瞳が、ここで初めて描かれるのも素晴らし
いです)、この回は何度見てもここで涙してしまいます(苦笑)。ラストは鏡の前で女の子も小さな
一歩を踏みだし始めるカットでこのエピソードは終了します。ユリカ様と女の子、長期シリーズなら
ではの大きな成長と個別エピソードとしての小さな成長を対比して描いた名編で、この作品がい
かにキャラを大切し、そして魅力的に描くのが上手いかを表している好例と言えるのではないか
と。何よりびっくりなのが、このエピソードが元々関連商品(アイカツのお菓子)の販促回だというこ
とです。序盤で商品の宣伝をさりげなく組み込んで、そこから話のメインテーマに繋がっていくとい
う構成の巧みさは、つくづく職人技だと感心します。「ロボットの戦闘シーンさえ入れておけば、あと
は好きにドラマを作れる」という富野監督の作劇術が、サンライズで脈々と受け継がれている証と
言えなくもない?(笑)
 ユリカ様に関しては、ソロ曲が名曲揃いというのも恵まれていた印象がありました。前述の1期
20話で使用された「硝子ドール」という曲は、スタッフでさえ「ホントにこれが子供向けアニメの曲な
の?」と驚いたほど本格的なハードロックで、荘厳で重々しいイントロからギターソロのアドリブが
ムチャクチャ格好良い間奏、ボーカルの余韻がどこまでも響くラストまで、一瞬の隙もなく完成度
の高い名曲中の名曲だったりします。89話で使われた「永遠の灯火」も「硝子ドール」の路線を引
き継ぐハードロックで、「アイカツ!」の楽曲群の一つの系譜としてこの方向性の曲は3期以降も
作られ続けていきます。とりわけ「硝子ドール」は原点とも言える曲だけに評価が高く、ユリカ様人
気を後押しすることになったと言えると思います。
 このように様々な要因によって、スタッフの予想に反しユリカ様は人気キャラの座を獲得しまし
た。ただこの話題の最初にも書いたように、最初から計算されて生み出された人気ではなかった
あたりがキャラクター設計の難しさであり、その辺の分析をもう少し上手く作品に反映できていれ
ば、3期以降の売り上げ低下も回避できたのかなと、そんなことも思ってみたり(作品が終了した
今となってはナンセンスな仮定ですが)。3期や4期のキャラだって個性や魅力という点では全く
劣っているとは思わないのですが、小さな子供達に共感や憧れを持たせるには全体的に真面目
で優等生すぎる傾向はあったのかも。2期までのキャラ達のぶっ飛んだ色物ぶり(笑)と、3期以
降のリアルに寄せたキャラ作りとのギャップがよく分かるエピソードもあったりするのですが、それ
はまた別の機会に語りたいと思います。とりあえず、藤堂ユリカ様を中心としたネタはここまでとい
うことで。


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