前回書いた「シスプリ」のラジオで桑谷夏子さんが終始咳き込んでいた件ですが、なんでも気
管支喘息と判明したそうです。声優としてそれはかなり辛いのでは。幸い病状は回復に向かっ
ているらしいですが、何はともあれお大事に、というところでしょうか。
「Sence Off」、2周目は“喧嘩するほど仲がよい”を地でいく少女・埴島珠季(はにしま たま
き)をクリア。続けて主人公曰く前世が“ちくわ”だという下級生キャラ・真壁椎子(まかべ しい
こ)をクリア。・・・うむむ、ますます謎が増えてしまいました。つまるところこの作品では世界の
認識の仕方というか、個としての“世界の切り取り方(捉え方)”を投げかけた上で、『個人の
死=(切り取られた)世界の死』というようなある種の世界の終焉と再生を描こうとしているの
ではないかと、漠然とですがそんな感じがしてきました(って、書いてる本人もよう分からん文
章になってますけど)。いかんせんラストが抽象的なので、判断材料に乏しい状況です(おまけ
に椎子シナリオではいきなり話のスケールが大きくなって、17世紀のベルリンやら人類有史
以前まで舞台が広がってしまうし)。ネット上の幾つかのレビューを読むと全キャラクリア後に
攻略できるシナリオでその辺の謎が明らかになってくるらしいので、もうしばらくは判断保留と
いったところでしょうか。
それと主人公が数学や物理に関してかなりの知識を有していて、シナリオの端々に数学や
物理や数学者の専門的な話が出てくるのですが、典型的文系人間の私にはその辺がちんぷ
んかんぷんだったり。微分も積分も高校の授業でちょこっと囓ったきりなのでさっっぱり分かり
ましぇーん。某「ずま」とは分野こそ違えど、この作品を理解するにはかなりの知識が必要なの
かも。一応認識論(と言うか記号論)に関してだけは大学の講義で多少やったので、何となくイ
メージできるのですが。 つーか、なんで18禁ゲームやるのにこんな頭を悩ます必要があ
るんでしょう(笑)。
「Sence Off」4周目は超鋭敏な嗅覚を持つ関西弁少女・三條美凪(さんじょう みなぎ)をク
リア。これまた終盤でぶっとんだ方向に話が進んでどこか置いてけぼり気分。表向き学園恋
愛モノを装ってますけど、完全にSFです、この作品。その辺、普通の18禁ゲームと思ってプ
レイした人はかなり面食らったのではないかと。意外性や時代を飛び越えた世界観の大きさ
という点では「AIR」の“夏”編や“大気”編のラスト付近に通じるものがあるような。ただKeyの
作品がどちらかというと感動的なシーンをやや冗長なまでにじっくり描くのに対して、この作品
はあっさりと、それこそ唐突な幕切れという感じでいきなり物語が終わってしまう印象があっ
たり。恐らくはそれも意図的にやっていると思えるので、その真意が何処にあるのか分かって
くると“元長節”と呼ばれる氏の手法の面白みが見えてくるのではないか、そんなことを考えた
りもします。とにかく一筋縄ではいかない作品ですわ、これ。
月末恒例「ギャラクシーエンジェル」DVD5巻。15話〜18話収録。だはははーーーっ、壊れ
すぎ。とゆーか、こんなに暴走していーんですか。なんかキャラが全員当初の設定から大きく
逸脱して滅茶苦茶ヘンになってるんですけど。悪ノリもここまでやれば立派です(笑)。うんうん、
個人的には良い方向に化けてきた感じで、ある種博打で手を出したシリーズでしたが結構当
たりだったのではないかと。
「Sence Off」5周目は無感情キャラ・御陵透子(みささぎ とうこ)をクリア。このゲームをプレ
イしていると大学の講義を受けている気分になるのは何故だらう(苦笑)。それはともかく、よ
うやく作品世界が見えてきたような感じがします。例えるなら限りなく「ONE」に近い「AIR」、また
は「AIR」に近い「ONE」ではないかと。その上でさらに哲学的命題にまで言及しようとしている
点が大きく異なりますが(と言うかそっちが本題?)、日常的な個人の生き死にと世界の終焉
を同列に扱いつつ、最終的には個人的な幸福論に着地するという点においても、かなり近似
値性を見出せると思います。
ただ「ONE」や「AIR」が感情的なロジックに支配された物語(なんか言葉が矛盾してますけど、
麻枝氏の作風はそんな感じがするので)であるのに対して、この作品は極めて理詰めかつ冷
めた視点で描かれているのが違いと言えます(先に書いた大学の講義みたいというのも、そ
れに拠るところが大きいかと)。物語というよりは一種の学術論文というか、一つの思考的な
実験に付き合わされているような、そんな感覚に近いものがあります。特にこの透子シナリオ
はその観が強かったです。
それにしてもこの「Sence Off」という作品、「AIR」とほぼ同時期に発売したゲームにもかか
わらず物語のバックボーンが結構似ているのが不思議というか何というか。もちろんどちらか
がどちらかをパクったなんて言う気は毛頭ありませんし、本質的な部分はまるで別物ですけど。
今日の「カスミン」ではN○Kなのにパンチラが!先週のエロティシズム全開といい、やっぱ
りスタッフ意図的に作ってますって、これ。
「Sence Off」6周目は「認識力学研究所」の所員にして主人公達の教師でもある塔馬依子
(とうま よりこ)をクリア。最後に隠れキャラもクリアしてオールコンプ。世界観の種明かしは
昨日クリアした透子シナリオで終了したらしく、最後の隠れキャラシナリオで作品全体の謎が
明かされるのかと思っていたら、それまで描かれてきたテーマを別の角度からアプローチした
にすぎなくて、結局釈然としない部分は釈然としないまま残ってしまいました。全体としてかな
り理詰めで描かれているにもかかわらず、各エピローグの抽象さは謎解きをプレイヤーに委
ねるにしてはあまりに判断材料不足で、しかも意図的にそうしたと見えるだけにどこかすっき
りしない感じです。作者自ら「ONE」や「Kanon」を意識しつつ“模倣における逸脱”をテーマした
と語っているだけに、作品そのものがこれまでの既存の18禁ゲーム(ひいてはギャルゲー)
全体に対する大いなる皮肉になっているのではないか、と懐疑的にもなったり。それほどまで
に全てが“わざとそうした”と思える作為性に溢れているような気がします。謎を謎のまま、そ
れこそ元から語ることを放棄したようにあっけなく終息する(“収束”はしていないような)エン
ディングも、それを解釈することと語りたいテーマとの関連性はハナからないのだとでも言い
たげであると思ってしまうのは穿ちすぎ?
作品のテーマに関しては21日の日記に書いたことからそうはずれてなさそうです。数学や
ら物理やらでかなり理論武装していますが、衒学的文章に惑わされてはいけないと某「ずま」
で学習したので(笑)その根幹だけを見れば、“個にとっての世界の認識の仕方”と“認識され
た世界の終焉”を様々な角度から描きつつも、肉体を否定し精神性の優位を説いているの
ではないかと。とゆーか、作中でも明確に肉体は精神を閉じこめる檻にすぎないと断言し(哲
学でもありましたよね、この論。えーと、プラトン?)、最後のシナリオなんてとうとう肉体その
ものを捨て去ったところに人類の進化の方向性はあるとニュータイプも真っ青な結論に達し
ているのが、ぶっ飛んでいるというか何というか。ホントに単なる18禁ゲームかいな、これ。
ネットを巡回しているとこの作品について様々な議論が交わされていますが、実は一番分か
りやすいのがネタバレを含んでいるというエンディング曲「birthday
eve」の歌詞で、『人として
の不幸抱え 人でないもの夢見る』『拡散する可能性を 収束させて掴み取る』『もしも叶うな
ら 肉体というハードウェアからも 軛 解き放つよ』『you new word この感覚が 遮断され
ても聞こえるよ』『our new world その世界へと 僕らはこれから旅立つ』と、ストーリー全体
がこれで要約されているような。つまりは、そーいうお話です。その点で「Sence Off」(感覚
の遮断)というタイトルに偽りはありませんでした(笑)。
個人的には一つの思考的実験作として楽しめましたが、ちょっと手放しでお勧めはできか
ねるかな〜というところ。元長柾木という人物、豊富な知識と独自の哲学観を持ち合わせ、
文章のセンスやキャラ立てもかなりのものだとは思うのですが(キャラはそろってお気に入り
ですし、中盤の初々しいラブラブぶりも上手く描けていると思いました)、それらをエンターテ
インメントに昇華しようというつもりがないらしいのが、ゲーム作家としては大きな欠点ではな
いかと。ただ意図的に一連のKey作品を模倣しつつも、到達した地平は「ONE」と正反対だっ
たりするのはなかなか興味深いので、その辺を楽しみにプレイするのはアリかもしれません。
あ、あと某「ずま」が好きな人はハマりそう(苦笑)。認識論の部分では重なるところもありま
すし。ネットでレビュー探してたら某「ずま」に続いてフッサールの現象学が引き合いに出さ
れていて、またか〜と思ったり。
ちなみに現象学関係の入門書として割とよく紹介される竹田青嗣氏という方の著書を実は
私も一冊持っていたりします。6年ほど前に買った「自分を知るための哲学入門」(ちくま学芸
文庫)という本で、哲学史をざっとおさらいするには分かりやすい一冊だと思います。って、こ
れは蛇足。
最後に、「体験版」と称して最後までプレイできてしまうサントラはやっぱ変ですよ〜(笑)。
ゲームが終了したので、「Sence Off」ドラマCDを聴いてみました。メインヒロインである成瀬
シナリオを中心に展開しつつも、ゲーム本編ではかなり意味不明だったエピローグが大幅に
加筆されていて、納得できるエンディングになっています。ゲームの方もこれと同じ解釈をし
て良いのであれば釈然としなかった部分もある程度すっきりするのですが、作者自らサント
ラのブックレットでドラマCDはある種の「逸脱」であると言っているので、そのままゲーム本編
にまで適用する訳にはいかないかもしれないのが微妙なところです。ちなみにこのドラマCD
のキャスト、半場友恵さん、橘ひかりさん、倉田雅世さんと「電脳天使(デジタルアンジュ)」出
演者が3人もいるのが嬉しかったりするのですが、全くもって個人的な理由ですね(笑)。
前回、前々回のこの作品に関する感想の補足。23日の日記では「ONE」「AIR」と近似値性
があると書いておきながら、24日には「ONE」とは正反対と書いているので、言ってること矛
盾してるじゃね〜か〜と思えるかもしれませんが、
共通性があるのは『終盤でいきなりスケー
ルの大きな方向に展開しながらも、ラストでは個人レベルの幸福観へと回帰する』ストーリー
構成に関する部分で、正反対なのは物語の最終的な着地点です。
「ONE」の主人公・浩平は“えいえん
の世界”という、文字通り永遠に幸福が続く世界(と同時
に現実から途絶された、永遠に静止した世界でもある訳ですが。そして子供の頃に浩平が願
ったこの世界が、現在の浩平と相容れないものだったことがこの物語の悲劇でもありました)
に一度は捕らわれながらもそれを否定し、最後にはヒロインとの肉体的な結びつきゆえに現
実世界へと帰還します。が、「Sence Off」では逆に肉体的な結びつきをした途端主人公とヒ
ロインの間に築かれた世界が崩壊し、更に隠れキャラのシナリオでは精神の器としての肉体
すら否定しています。そこが“逆「ONE」”とでも呼べるほどに対照的ではないかと(もっともよ
り突き詰めれば、どちらの作品も主人公とヒロインの精神的な繋がりをこそ最も重視してい
ると言えるのですが)。どちらが正しいとか、どちらが優れた話かなんて比べるのはナンセン
スですが、元長氏が「模倣における逸脱」と称するのはこの辺に由来しているのかも、と思っ
たり。ただ初めて「ONE」をプレイした時の、金属バットで脳天直撃のうえ心臓鷲掴みのまま
遠心分離器でシェイクされたような衝撃(って、死んでますがな)を思えば、最初にやったモ
ン勝ちだよな〜、という部分はなきにしもあらずでしょうか。
「だぁ!×3」66話。ももか、恋のライバル現れるの巻。久々に桜井監督自らコンテ担当の
回でした。と同時に最近存在意義が疑わしかった(苦笑)ルゥが久方ぶりにメインのお話。作
画が後半やや不安定で、話のテンポも桜井監督の割にはややイマイチな気がしなくもありま
せんでしたが、総じて楽しめたので個人的には悪くなかったです。
それと今回の美香お姉さんの羞恥プレイはおとなしめで残念(爆)。先月衆人環視の中で
歌わせた時のお姉さんの恥ずかしがりようがインパクト大だっただけに一層かも。でも歌い
出す前に大きな溜め息をつく美香お姉さんの諦念にも似た表情には苦笑。ホントは内心イ
ヤなんでしょうね〜。
「ムリョウ」25話。ガイアーになったロラン君、初号機に取り込まれるの巻(意味不明や〜)。
シングウの正体とか、アロハシャツ宇宙人の目的とか色々明らかになりましたけど、相変わら
ずのんびりペースのままで、本当にあと一回で終わるの?と不安になったり。サブタイトルを
見ると最終回は綺麗にまとまって完結する訳でもないような???でもあまり「戦いはまだま
だ続く」的ラストで終わってほしくはないです。最近割とそーいうパターンの作品が目につくの
で。
私も初回限定生産の文字につられて某通販ショップに予約済みですが、よもやこんなに高
いとは知りませんでした。やばっ、ローン組んで一生かけて支払わないと(笑)。
http://www.sofmap.com/shop/product/tanpin.asp?PRDT_ID=1323312
(修正されていたらすんまそん)
「X」9話。新キャラの陰陽師青年登場。なんでも同じくCLAMP作品の「東京バビロン」のキ
ャラだそうですが、読んだことがないので分かりません。
今回も主人公カムイの出番なし。そう言えば白土三平の「カムイ伝」でも主人公カムイはだ
んだん出番が減っていって、第2部に至っては殆ど脇役キャラ扱いになってましたっけ。まぁ
その分「カムイ外伝」で活躍してるからいいんですけど。とゆーか、長らく中断している「カム
イ伝」第2部がこのまま永遠に未完になりそうで心配・・・って、話が完全に脱線してますがな。
「天使のしっぽ」9話。主人公への恋愛感情に気がつき、戸惑う金魚とインコ。一方、復活し
た四聖獣が本格的に動きだし、ラストバトル開始か?的雰囲気で次回へ続く。
低学年トリオの母親と勘違いされて呆然とするヘビとか、温水プールでの水着シーンとか
萌え名場面の多かった今回。にもかかわらず、ラストのシリアスモードな展開でそれまでの
まったり気分がうち消されてしまった感がなきにしもあらず。このノリのままでも別にいいと思
うんですけどねぇ。
以前にも書いた「幻魔大戦」アニメ化の噂、どうやら本当らしいです。ただし放送枠はCSの
模様。スーパーバイザーに石森プロの方が入っているそうですから、アニメ版「キカイダー」、
平成版「009」に続く石ノ森作品のアニメ化ということのようです。となると問題は平井和正と
組んで描いた最初の「幻魔大戦」なのか、79年から単独で再挑戦したバージョンのほうなの
かということになりますが、どちらなのでしょうか。79年版は連載していた雑誌「リュウ」が途
中で廃刊したため序章だけで中断になっている(とゆーかラストはいきなりバッドエンド)ので、
角川映画にもなった最初の「幻魔大戦」の可能性が大きい?とは言え、最初の「幻魔」も打
ち切りバッドエンドで終わっているので、どっちを映像化しても救いのないラストにしかならな
いような。
先々週に続いて野々原幹氏の原画集が発売。今度は「リトルモニカ物語」の原画集です。
先週は「胸キュン!」の原画集も出ていますし、最近何気にロリ作品の需要が増えている?
(笑)
で、先々週の原画集ではカバーをはずすと「Fifth」3人娘がカバー絵と同じポーズで何故か
肉まんを持っているというお遊びがあったのですが、今回もカバーをはずすとセリアが照れ
た顔で「見つかっちゃった・・・や・・・あ、恥ずかしっ・・・」と言ってたりします。最近マンガでも
こーゆーギャグを入れる単行本が増えているので、買うとつい表紙をはずしてみることが多
かったり。
またタチの悪いコンピューターウィルスが広まっているようですが、一方でWinMX利用者逮
捕、なんてニュースも。ネットの世界もなかなかに穏やかではないようで。
http://www.zdnet.co.jp/news/0111/28/winmx.html