おもひで
だいありーの過去ログです。
18/02/11
冬の終わりを思わせる暖かさが続いていましたが、明日からは再び厳冬に戻るようです。短い
平和だったか・・・(笑)。
石ノ森章太郎生誕80周年にともない、石巻の石ノ森萬画館で企画展を開催しているので見に
行ってきました。企画展では「ジュン」シリーズと関連作品の原画を展示。デビュー作「二級天使」
の原画や、カラーページの連載をしていた「マイアニメ」創刊号なんてのも展示されていました。
「ジュン」は昭和40年代に連載開始した作品で、台詞の殆どない、詩的で抽象的、時には哲学
的な語り口の漫画です。当時としてはあまりに斬新すぎて、手塚治虫氏が嫉妬心から「あんなも
のは漫画じゃない」とまで言い、後に石ノ森本人に謝罪したなんてエピソードもあったりします。漫
画本編もさることながら、表紙等を飾ったカラーイラストがとても美しく、思わず長時間見入ってし
まいました。
石ノ森氏の絵というと、昭和40年代後半あたりから次第に線が雑になってゆく印象があって、フ
ァンの間でも「昭和40年代前半までは良かった」と言う人が結構いたりしますけど、改めて生の原
画を見ると昭和40年代後半以降の絵でもそこまで荒れている印象はなく、線が綺麗だと感じま
す。目に見えて絵がラフになってきた昭和50年代以降の作品でも、原画ではそこまで雑には見え
ず、縮小して印刷すると印象が変わってしまうのかなと思えなくもなかったり。もっとも同じ時期に
書かれた作品でも絵のクオリティにかなりの違いがあったりするので、単に仕上げたアシスタント
の力量差なのかもしれませんけど(笑)。ただカラーイラストに関しては本当に素晴らしく、またバリ
エーション豊かな彩色をしていて、「こんな塗り方の絵もあったんだ」と驚いたものもありました。私
も昭和の頃に出版された画集を所有していますが、改めて原画を見るとその美しさを再現しきれ
ていないと感じたので、今の印刷技術でもう一度画集が出ないものかと切望する次第です。
非常に多くの生原画を鑑賞することができて、とても満足度の高かった企画展でした。今年はこ
の調子で沢山の企画や出版があると嬉しいのですが、さて。
http://www.mangattan.jp/manga/exhibition/8852/
18/02/14
昨日今日とまた厳しい冷え込みになりましたが、明日からは寒さが緩むとか。三寒四温のサイ
クルに入ったのでしょうか。そろそろ冬の終わりへと向かってほしいものです。
再放送は終わりましたが、「Zガンダム」雑感はまだ続きます(笑)。今回は当時コミックボンボン
に連載されていたコミック版「Z」について。作画を担当していたのは、前年「MS戦記」で衝撃的な
デビューを飾った近藤和久氏。実際の戦闘機や戦車を参考に詳細なディテールが描き込まれた
モビルスーツは近藤ディテールと呼ばれ、プラモデルのみならず「Z」本編の作画にも如実に影響
を及ぼしていました。時折やたらと描き込みされたモビルスーツの作画が散見されのは、確実に
近藤氏の絵に触発されたものだったかと。
そんなコミック版「Z」は、基本的にはアニメとストーリーを同じくしながらも設定や展開に結構な
違いが見て取れます。前回の雑感で書いたように、近藤氏はサンライズから一ヶ月ぶんのシナリ
オを渡されて漫画化していたそうなので、ストーリーに関してはコンテで変更される以前のシナリ
オに基づいたものだったと考えることができそうです。
モビルスーツの設定については近藤氏の独自解釈がふんだんに盛り込まれていました。例えば
序盤に登場した3機のガンダムmk-2、アニメでは全て同一デザインでしたけど、コミック版ではそ
れぞれにバックパックのデザインが異なっていました。3号機のみアニメと同じでしたが、1号機・
2号機はアニメ誌等で一番最初に公開された準備稿段階のデザインを使っていて、いかにも試作
機ゆえのバージョン違いを思わせる仕様になっていました。
他にも、ディジェが当初の設定通りネオジオンの機体として登場したり(デザイナーもその想定で
デザインしたそうで、アニメでいきなりアムロが乗っていて驚いたそうな)、バーザムがモノアイで
はなくツインアイになっていて、更にはガンダムmk-2のバルカンを装備していたり(バーザムがガ
ンダムmk-2の後継機という後付け設定が生まれる根拠になった?)、コミック版オンリーの描写
が多々あります。あとGディフェンサーが嫌いだったのでフルアーマーガンダムmk-2という独自設
定を出したり(笑)、最終回にはゴブリンというオリジナルモビルスーツも登場させています。ジ・O
が小林誠氏のデザイン原案に近いものになっていて、両腕がジオングのように有線サイコミュに
なっていたり、キュベレイが後に近藤氏オリジナルモビルアーマーとして登場するG-3(ゲー・ドラ
イ)に近いデザインだったりと、アニメとの違いを探すのも楽しみなコミックとなっていました。
後に近藤氏は独自設定・ストーリーの漫画「サイドストーリー・オブZ」を発表。いち早くZ-MSVの
百式改やガンダムmk-3を登場させたり、アニメではややこしかったモビルスーツの分布図をすっ
きりまとめたりと(ツインアイのモビルスーツは連邦軍、モノアイのモビルスーツはエゥーゴと、シン
プル化)、アニメとは全く違う内容になっていました。個人的に近藤氏の作品で一番好きなのがこ
の「サイドストーリー〜」で、当時連載されていた「模型情報」や「Bクラブ」は新しい号が出るたびに
繰り返し読んだものでした。残念ながらバンダイが別の漫画を連載させるため中断させ、未完と
なってしまったのが惜しまれます。きちんと完結していたらどんな内容になっていたのか、今でも
気になっていたり(近藤氏曰く、もう続きを書くことはないそうな)。
85年当時は「Zガンダム」のみならず、「レイズナー」や「ダンクーガ」「飛影」といった他のロボット
アニメでも異様に描き込みが凄い作画が見られるようになって、メカ作画のクオリティが飛躍的に
向上した年でもありました(この辺は前年の劇場版マクロスや、OVAの台頭も影響していそうで
す)。ただ、同時にリアルロボットアニメがピークを迎え、翌年から一気に衰退していってしまうのも
また事実だったりしますが。
18/02/18
雨が降って雪が消えてくれたと思ったら、また降雪で路面が白くなりました。まだまだ車の運転
に神経をすり減らす日は続きそうです。
先日、劇場版「ご注文はうさぎですか??」を見に行ってきました。公開が始まったのは去年の11
月で、その頃は病後で体力が落ちまくっていたり検査で再入院していた時期だったので、一度は
見に行くのを諦めていました(近隣だと仙台か盛岡くらいしか上映していなかったので)。ですが石
巻のイオンシネマで現在上映しているとたまたま知り、ならばと足を運んだ次第。
ぶっちゃけ「ごちうさ」の劇場版って、4コママンガ原作の日常系アニメで2時間も何やるんだ?
とツッコミしたくなりますが(笑)、「ガールズ&パンツァー最終章」同様OVAの先行上映という形な
ので、実際の上映時間は1時間しかなかったりします。内容も原作のエピソードをつなぎ合わせて
膨らませたもので、あくまでテレビシリーズの延長といった感じでした。「ガルパン最終章」は戦車
戦があるので映画館の大スクリーンで見る意義がおおいにありそうですが、こちらは終始まった
り、ゆる〜くふわ〜っとした展開なので、あまり「映画を見た」という気分にはなれなかったかも(苦
笑)。凝った演出やすごい作画といったものもありませんでしたが、萌え系日常アニメを大スクリー
ンで見るというのはちょっと貴重な体験と言えそう?あくまでファン向けの作品で広くお勧めできる
とは言い難いですが、テレビシリーズと全く変わらない作風で個人的には充分楽しめました。ただ
全体的に優等生すぎる出来で、テレビシリーズで時折見られたような狂気が感じられなかったの
はやや物足りなかったかもしれません(笑)。それと長期休業していた種田梨沙さんの復帰第一
作でもあるので、久しぶりに声が聴けて嬉しかったです。
http://www.gochiusa.com/ova/
今季のアニメは今のところ「ゆるキャン△」がとりわけ好印象です。毎回キャンプして飯食べてい
るだけなのに(笑)、30分があっという間に感じられるほど面白く、繰り返し見てしまいます。よほ
ど演出が上手いのか、原作自体の出来が良いのか、ともかく今季のダークホースという感じで
す。ただ夜に見ていると無性に腹が減るのが最大の問題点かと(苦笑)。
http://yurucamp.jp/
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