おもひで

だいありーの過去ログです。

19/02/13

 先週末からの寒波がずっと居座っていて、寒さの厳しい日が続いています。

 ネタがないので(笑)、前回の「ダグラム」雑感の続きをもう少し。「ダグラム」では主人公を含め
た少年少女がゲリラとして最前線で戦い続けましたが、作中では子供が戦争をすることの是非に
ついてあまり触れる場面がありませんでした(皆無ではないですが)。おそらくは、この作品がベト
ナム戦争をモチーフにしていたり、日本でも直近の戦争といえばベトナム戦争だったので、放送
当時は女子供がゲリラに参加することがリアルであるという認識が少なからずあったからではな
いかと推測してみたり。独立運動の指導者サマリンも子供達を戦わせることに躊躇しておらず、
むしろ地球出身の主人公がデロイア独立のために戦うことを嬉しがっていました。
 時代が進んで90年代に作られた「Vガンダム」の場合、描写に明らかな変化が見られます。抵抗
運動派リガ・ミリティアの老人達はウッソ達をゲリラとして戦わせますが、それは必要悪であり異
常であることが作中で語られています。敵であるベスパのほうがむしろ人道的で、子供が戦って
いる現実に悲観したり、子供を攻撃しないよう命じたりといった場面がありました。「Vガン」が製作
された93年は冷戦が終了し世界各地で地域紛争や宗教戦争がぶり返し始めた時期で、富野監
督もそんな世界情勢を意識して「Vガン」を作ったと明言しています。テレビで報道される戦争の様
子も、民間人である女性や子供が戦いに巻き込まれる悲惨な映像が数多く流れていました。子供
が戦うことは悲劇であるというのが、ある意味90年代のリアルさでした。
 もちろん「ダグラム」と「Vガンダム」では作品のテーマも設定も違うので、単純に比較することは
できないですが、高橋監督と富野監督の作家性の違いもそこに見て取れるのではないかという気
がします。「ダグラム」は異なる思想の対立という構図で、独立運動の指導者サマリンも連邦評議
会議長ドナンも、それぞれに自らの考えが正しいと信じて行動しています。両者の思想には一長
一短あり、どちらが善でどちらが悪と簡単に言い切れないあたりがこの作品の面白さの一つで
す。リアルタイムで見ていた頃(当時小学5年生)はその辺が全く分からなかったのですが、今回
の一挙視聴で私は理想主義のサマリンや主人公クリンよりも、むしろ現実路線のドナンに肩入れ
して見ていました。なのでシリーズ終盤、志半ばで死んでゆく場面は涙せずにはいられませんでし
た。それだけに私利私欲で動く俗物のラコックがいっそう憎々しく思えたものですが、人によって
はラコックに共感したりもするようなので、本当に様々な視点で見ることができる作品だと言えま
す。
 一方「Vガンダム」はカルト集団vsカルト集団という構図で、宗教とギロチンによる支配を目論む
ザンスカール帝国も異常ですが、抵抗運動というお題目のためならば子供も一般市民も戦争に
利用してしまうリガ・ミリティアもやはり異常です。ウッソの両親は自分たちの理論を実践するため
だけに子供を産み育てるという、これまた異常な主義者ですし、そんな大人達に囲まれてガンダ
ムに乗るウッソはどう考えても悲惨な子供です(しかもウッソを戦わせるリガ・ミリティアの老人達
は、なんとファーストガンダムでホワイトベースに乗っていたクルー達と同年代だったり)。「親の過
剰な期待を押しつけられた子供は不幸である」というのが「Vガン」のテーマの一つですが、親に限
らず周囲の大人達の様々な期待や理想を押しつけられ、およそ子供らしくない少年になってしま
ったのがウッソという主人公(なので名前もウッソ=嘘)でした。
 富野監督が容赦ないのは、テーマを描くためには人間を徹底的に救いのない存在として描写し
てしまえる部分だと思えます。高橋監督の場合、登場人物の生き死にはシビアであっても、まだ
かろうじて人間に希望を求めていると感じられるのが両監督の作風の大きな違いではないでしょ
うか。ただ高橋監督は「ダグラム」に限らず割と直接的に人が死ぬシーンや死体を描いていて、
富野監督は爆発に巻き込まれたりイメージ的な描写にしたりと、ストレートに死ぬ場面を描いてい
ないことが多い(ただし「発動篇」は例外)のが意外と言えば意外?あと「レイズナー」を除く高橋作
品の主人公は人を殺すことに最初からためらいがなく、逆に富野作品の主人公はシリーズ序盤
に人殺しへの抵抗感を描写するのが定番になっていたりと、監督に対するイメージと作風が逆に
感じられる面もあったり。サンライズロボットアニメの両輪と言われる両監督ですが、こうして比較
するとはっきり個性の違いが見て取れるのではないかと。「ダグラム」の思想描写や戦争描写か
ら連想して、今回はこんなことを考えてみました。


19/02/17

 長く続いた厳冬もやっと終わりが見えて、春を予感させる気温になってきました。このまま順調
に暖かくなってくれると良いのですが。

 サムスンがUHD BDプレーヤー市場から撤退する模様。去年は高級UHD BDプレーヤーを発売
していた中国のOPPOが撤退を表明してAVファンに衝撃を与えましたが、これでプレーヤーをリリ
ースしているのは(少なくとも日本でプレーヤーを発売しているのは)国内メーカーだけになった?
世界的に映像配信が主流になりつつある今、ブルーレイやUHD BDといった物理メディアはやニッ
チなジャンルになりつつあるということでしょうか。
 https://www.phileweb.com/news/d-av/201902/16/46607.html

 仙台を起点とする三陸自動車道の気仙沼区間が一部を残して開通。これで仙台から気仙沼ま
で専用自動車道一本で繋がることに。来月には大船渡−釜石間が開通し、陸前高田から釜石ま
で繋がりますし(更には釜石と花巻を結ぶ釜石自動車道も来月に全線開通)、三陸沿岸の交通の
便が一気に向上します。そう言えば釜石は県内でありながら小学校の修学旅行で一度訪れたき
りだったので、機会があれば一度くらい車で行ってみたいものです。
 思えば私が初めて石巻を訪れた98年当時、三陸道はまだ仙台から石巻の途中までしか開通し
ておらず、石巻や女川はとても遠い場所に感じられたものでした(片道2時間以上。今は片道1時
間ちょっと)。その後2007年に登米のすぐ手前まで開通し、大幅な時間短縮により石巻は写真撮
影等で頻繁に訪れる地になりましたが、それでも登米以北はなかなか開発が進んでいない印象
でした。それが皮肉にも東日本大震災により三陸自動車道は復興道路に位置づけられ、開発が
一気に加速する結果に。下手をすると私が生きているうちに全線開通することはないのではと思
っていましたけど(苦笑)、どうやらこの目で全区間の開通を見ることができそうです。
 https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201902/20190217_13006.html


19/02/20

 今週は3月並の暖かさが続いています。今日は終日雨が降り続いて冬の終わりが近いと感じら
れましたが、さすがにそう簡単に春にはなってくれないのでしょうね(笑)。

 月に一度受診している心臓病の検査は待合室で座っている時間が長いので、最近はスマホで
電子書籍を読みながら呼ばれるのを待っていたりします。先日はふと思い立って、国木田独歩の
「牛肉と馬鈴薯」や代表作「武蔵野」を読んでいました。
 「武蔵野」は20年以上前に一度読んだことがあるのですが、東京の地理に疎かった私は具体的
な地名が出てきても一向にピンとこなくて、正直あまり面白いとは感じませんでした。で、改めて読
んでみても東京の地理にいまだ明るくないのでやっぱりピンとこないのですが(苦笑)、そこに描写
されている風景の美しさや四季の移ろいといったものは前に読んだ時よりも感じ入る部分が多く、
年齢を重ねたり風景写真を撮っていることで想像できることが増えたのかなと思ってみたり。
 独歩の「武蔵野」は明治以降の武蔵野のイメージに多大な影響を与えたとか。とはいえ、独歩
が渋谷に居を構え散策しながら「武蔵野」を書いた明治31年頃と今とでは武蔵野の景色は全く違
う訳で、試しにグーグルマップで渋谷を見てみたら、当然ですが見事にビルだらけで「武蔵野」の
面影は全くないなぁと思わず苦笑。残念ながら作品に沿って聖地巡礼するのは厳しそうです。現
代人が「武蔵野」を読んで受ける感銘は、ある種心の原風景に通じる美しさをそこに見いだすか
らではないかと、そんなことを思いながらの再読となりました。
 ちなみに「武蔵野」は現在青空文庫で無料で読むことができます(↓)。
 https://www.aozora.gr.jp/cards/000038/files/329_15886.html


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