おもひで

だいありーの過去ログです。

21/09/12

 予報通り30度越えの暑さが戻ってきました。湿度が低くてカラッとした暑さなのが救いです。

 PS4のレースゲーム「グランツーリスモ7」の発売が来年の3月4日に決定。と言っても予定通りに
発売されるとはファンの誰一人思っていないかと(笑)。半年の延期で済めばマシなほうかな〜とい
う気も?
 記事の中でリアルな気象変化を再現するためNASAの学術データ等を利用したとか大仰なこと
が書いてありますけど、この手の大言壮語な宣伝文句の作品が面白かったためしがない印象が
あるので、ちょっと不安になります。個人的にレースゲームをプレイする一番の理由はリアルな風
景の中を気持ちよく走れることなので、その辺がしっかりしていれば文句はないのですが。とにか
く無事発売に漕ぎつけることを願うだけです。
 https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1350246.html

 「Vガンダム」雑感の続き。2クール目に入って舞台が宇宙になると、それまでとは作品の方向性
が変わって少なからず戸惑いを覚えました。1クール目は老人や子供を中心にしたレジスタンスが
悲壮感漂う戦いを続けている印象でしたが、2クール目は子供たちだけで宇宙を漂流したり冒険
を繰り広げるような明るい作風へとシフトした印象があります。それこそ放送前アニメ誌に掲載さ
れた「RPG的な要素を取り入れた子供向けのストーリー」という記事にやっと準じたストーリーにな
った感じで、作品の方向性としてはむしろ正しいと言えます。ただ、登場人物を片っ端から殺して
無理矢理作品を盛り上げていた1クール目に比べてあまりに正統派すぎて、ディープな富野マニ
アの私からすると物足りなさがずいぶんとありました(苦笑)。
 「Vガンダム」を見ていて感心したのは、テレビシリーズ前作の「ZZ」よりも子供が戦う必然性を
納得できる形で描いている点です。「ZZ」で終始違和感がつきまとっていたのは、「Z」終盤で大人
達が全滅した訳でもないのに何故かジュドー達以外のエゥーゴが殆ど出てこなかったことです。と
りわけシリーズ後半は子供だけで戦艦を運用し、ネオジオンが内紛で自滅したとはいえジュドー
達だけで戦争を終わらせてしまうのがいくらなんでも嘘くさいと思えてしまいました。
 対して「Vガンダム」は戦っているのが老人や女子供ばかりのレジスタンスで、多くの子供が戦災
孤児だったり親とはぐれて成り行きで戦いに参加しています。更にレジスタンスであるリガミリティ
アは自分達の正義を実行するためなら子供を戦わせることに躊躇しない集団であり、敵も味方も
ナチュラルに狂っている舞台設定が13歳の少年を戦わせる必然性に繋がっています。「Vガン」の
序盤、ウッソにパイロットを強要する老人達にカテジナが「そんなのおかしい」と糾弾する場面があ
りますが、老人達は「頭でっかちのお嬢さんは黙ってて」と言って取り合いません。後に最も狂気
に取りつかれるカテジナですけど、実はシリーズ序盤は最も一般人の感覚を持ち合わせた常識
人でした(だからこそリガミリティアに愛想をつかして寝返るのですが)。「Vガン」は敵も味方も異常
性を明確に描いていて、その状況に放り込まれた子供達が戦わざるをえないことに納得できる設
定になっていたと思います。
 そんな狂気や悲惨さを孕んだ展開に少しずつ面白さを見出していた私でしたが、2クール目に
入った途端まっとうな冒険活劇になってしまったので、視聴意欲が大幅に減退。当時「Vガン」は
岩手で放送しておらず、もっぱらレンタルビデオによる後追いだったこともあり、20話を過ぎたあ
たりで見るのをやめてしまいました。アニメ誌で公開されたバイク戦艦のあまりに子供っぽい設定
に呆れてしまったのも大きな理由でした。
 そうして視聴をやめたまま放送は終了したのですが、翌94年の秋、偶然視聴を再開し「Vガン」
の評価が一変します(次回へ続く)。


21/09/15

 残暑が続いています。先月中旬のほうが涼しかったような。

 ガンダムの新情報が一気に公開されました。テレビアニメの新シリーズと安彦監督による劇場
作品、そして福岡に新たな実物大ガンダムが作られるそうな。今度の実物大はνガンダムとのこ
とですが、さすがにフィンファンネル装着状態だと自立しないので大幅にデザインが変わる模様。
カラーリングまで変更されて、もはやνガンダムとは別物という気も?あとνガンダムはファースト
やユニコーンよりも全長が高い設定なので、実物大の制作は更に大変そうです。
 https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1351302.html

 「Vガンダム」雑感は今回お休みします。代わりに「Zガンダム」の面白い考察を見かけたので紹
介。漫画家の山田玲司氏がネット配信で「Z」について主に歴史的背景やサブカルチャーの面か
らあれこれと語っていて、こういう切り口で「Z」を考察しているのは新鮮だと感じたり。
 なかでも「Z」終盤の展開はまんま「あさま山荘事件」だという指摘は目から鱗だったのですが、
一方で「あさま山荘事件」との類似性を語るなら「Z」よりむしろ「Vガンダム」ではないかとも思いま
した。カルト集団の暴走や一人の女性の狂気による凄惨な結末等、個人的には「Vガン」のほう
を連想します。山田氏の配信を他にも幾つか見てみたのですが、自説を裏付けるため我田引水
したり、事実と異なることをさも事実のように言ってることが時々あるようなので、あくまでこういう
考察もあるというくらいに捉えておくのが良さそうです。
 とはいえ、「Zガンダム」について新しい解釈が出てくるのは楽しいですし、やはり作品について
考察する時は制作された年代の時代背景抜きには語れないと改めて感じました。例えば「レイズ
ナー」は米ソの冷戦がまだ続いてる設定なので、制作された85年に東西冷戦がどれだけ緊張感
を孕んでいたかを知らないと、あの作品が持つリアルさはピンとこないかもしれません。幸か不幸
か、今はネット配信が充実したことで1980年代のアニメも現在放送中のアニメも平行して視聴す
ることが可能になり、若い世代の中には古い作品も現行の作品と同列で評価する人が出てくるよ
うになりました。「ザブングル」が当時どれだけ型破りなことをしていたか列挙しても、その手法が
スタンダードになった今の視点では「何が新しいのかさっぱり分からない」となるのは無理からぬ
ことで、実際そういう感想を見たことがあります。ですが、時系列や時代背景を考慮したうえで評
価したほうが個々の作品をより深く楽しめるのではないかと、老婆心からそんなことを書いてみた
次第。これもまたロートルの大きなお世話かもしれませんが(笑)。
 https://www.youtube.com/watch?v=SPlqqVupN0w


21/09/19

 昨日は終日土砂降りで今日は暑いくらいの秋晴れと、両極端な天気の週末でした。

 「Vガンダム」雑感再開です。94年の秋、それまで視聴をやめていた「Vガン」の続きを見るように
なったのは単なる気まぐれでした。住み慣れた盛岡から仙台へ転勤し、休日返上で二ヶ月くらい
ぶっ続けで働いていた私は(今ならブラック企業ですね)、エアチェックの時間すら碌に取れずアニ
メに飢えていました。連日35度越えの暑さの夏だったこともあり、無理がたたって9月の終わりに
は39度の熱を出して倒れ、気持ちが落ち込みまくっていたところに「Vガン」の陰鬱な作風が懐か
しくなったのかもしれません(笑)。ふと「Vガン」の続きが気になってLDを買ってみることに。しかも
20話くらいで中断していたのに、よりにもよってバイク戦艦が暴れまくる33話から36話が収録され
た巻を購入したのは本当に偶然でした。その時点で最新巻だから買っただけかもしれませんが、
今となってはよく覚えていません。衝動買いだったのは確かです。
 で、いざ視聴してみると・・・めっちゃ面白いやんけ。シリーズ前半とは別作品かと思うほどクオリ
ティが向上していて、かなり驚きました。あとで全話通して見て実感したのですが、ちょうどこの33
話あたりで作品のレベルが格段に変わっていて、その変わり目から視聴を再開したのは運が良
かったと言えます。放送終了後の富野監督インタビューによると、シリーズ前半は若手スタッフに
任せてみたものの出来が良くなかったので、後半は全て監督が作品をコントロールするようにし
たとのことで、もしかするとこの辺が方針転換した時期だったのかもしれません。
 雑誌で初めて目にした時は「ふざけているのか」と怒りすら覚えたバイク戦艦ですけど、作中で
は狂気の象徴の如く大地や人々を蹂躙していて、死に物狂いでそれを止めようとするウッソ達の
悲壮感溢れる戦いとあいまって、毎回異様なテンションが続くドラマ展開がとても面白く感じられま
した。ある種開き直りだったのかもしれせんが、子供だましにしか見えない設定をここまで巧みに
演出する富野マジックに改めて職人技を見た思いがしましたし、やはり富野作品は第一印象で全
否定してはいけないと再認識したものです。
 そしてとどめの36話。話の結末は雑誌で知っていても、実際の映像を見た時のショックは相当な
ものがありました。のちに富野監督が述懐するようにこの時は確かに病んでいたのかもしれませ
んが、この回を見た庵野氏が「テレビでここまでやってもいいんだ」と勘違いして「エヴァンゲリオ
ン」を作ってしまったことからも(笑)、ある意味テレビアニメのターニングポイントになったエピソー
ドと言えるかもしれません。万人に勧められる内容ではありませんけど、戦争の理不尽さや悲惨
さを表した話として一見の価値があると思いました。
 てな訳で、このLDを買ったことで個人的に「Vガン」の評価は大逆転。ここから最終巻まで毎月
デフォ買いする作品となりました(次回へ続く)。


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