おもひで
だいありーの過去ログです。
21/09/22
昨日は中秋の名月でしたが、我が家では曇っていて見えず。ネットのライブ中継でお月見をしま
した。
映画「攻殻機動隊」4Kリマスター版の公開に合わせて押井監督がトーク。当時の裏話を語って
いますが、電脳世界での会話シーンのアフレコで壺の中にマイクを設置してみたり、声優さんにポ
リバケツを被って喋らせたりしたそうで、その試行錯誤ぶりに笑ってしまいました。今ではデジタル
技術で可能なことでもあの頃はアナクロな手法だったことが、最先端の電脳世界を描いた「攻殻」
と真逆に感じられて余計対称的に思えたり?
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1352742.html
「Vガンダム」雑感の続き。翌月購入したLDには3クール目終盤の37話から40話が収録されてい
て、最も「Vガン」らしいとも言えるエピソード群に感動。やっとこの作品らしさが分かってきて、個
人的な評価がぐんぐんと上向いた頃でした。
この巻のエピソードで特に印象的だったのは、それまでの富野作品ではあまり見られなかった
ストレートに道徳的な描写です。37話「逆襲ツインラッド」では地球の環境に馴染めない宇宙育ち
の子供達が、環境汚染によって海岸に打ちあがった動物の白骨を見て嫌悪感を抱きます。です
が戦いの中でシャクティに諭され、「綺麗に死ぬこと」や「綺麗に生きること」を子供達が考えるよう
になってゆく展開に、「なるほど子供がメインターゲットというのはこういうことか」と理解しました。
「Z」や「ZZ」の頃は作品内の描写を通して環境問題や人種問題を匂わせることはあっても、直接
的に台詞で言わせることは殆どありませんでした。それに比べて「Vガン」のシリーズ後半はかなり
分かりやすく問題提起をしていて、子供にも伝わりやすいよう工夫されています。そういった描写
が新鮮で、「富野監督もずいぶんと丸くなったのかな」とこの時は思ったものでした。4クール目で
その考えは改めることになるのですが(苦笑)。
そして「Vガン」を最も象徴するエピソードだと個人的に思っている39、40話。故郷に戻ってきた
ウッソが駐留軍の残存部隊と戦うのですが、敵パイロットもまたこの地を気に入って家族と暮らし
たいと願っていたり、更には敵の家族が「お前が父さんを殺したんだ」と糾弾してきたりと、牧歌的
な雰囲気と戦争の悲壮感が交錯するドラマはまさに「Vガン」らしい内容だと感じました。「人殺しと
非難される13歳の主人公」という時点でどれだけ残酷なことか窺い知れますけど、まさしく「Vガン」
が描き続けたのは、子供の視点による戦争の理不尽さだったと私は思います。それが特によく分
かるこの39、40話は、「Vガン」初視聴でとりわけお勧めしたいエピソードです(次回へ続く)。
21/09/26
近年は地元にも産直市場的な店が増えて、地元産の野菜や果物、お米が気軽に買えるように
なりました。この時期になると採れたてのリンゴやブドウが店先に沢山並んで、こういうところでも
秋を実感します。
今期のアニメ「小林さんちのメイドラゴンS」が放送終了。痛ましい事件のあった京都アニメーショ
ンのテレビ復帰作でもありました。1期と比べて作品のクオリティが落ちていないことに安堵しつつ
も、監督が交代したことで作風に微妙な違いがあって、以前と全く同じではないことに一抹の寂し
さを覚えたりも。
元々この作品はコメディを基本としながら根底にはかなり重いシリアス要素が横たわっていまし
たけど、ハイテンションギャグが目立った1期に対して2期は割と落ち着いたムードが漂っていて、
それがいっそうシリアスに見える印象に繋がっていた気がします。それでも作品の面白さは変
わっておらず、それだけに故人となったスタッフがクレジットに名前を連ねているのを見ると悲しく
なりました。作品そのものは非常に楽しめましたが、複雑な心境を抱えながらの視聴となったのも
確かです。ともかく京アニにはこれからも素晴らしい作品を作り続けてほしいと願うばかりです。
https://maidragon.jp/2nd/
現役競走馬の名前を殆ど知らない私でもインパクトの強さですぐに名前を覚えた馬・ヨカヨカが、
調教中のケガにより引退するとのこと。九州産の馬が初めて重賞を勝ったというニュースを少し
前に見かけて、更に頑張ってほしいと思った矢先だったので残念です。
競馬中継を見ていると時々変わった名前の競走馬が出てくるのが面白くて、競馬中継をBGVに
「ウマ娘」をプレイすることも多かったりします(笑)。と言っても最近はログイン勢になりつつありま
すが。これまで幾つかソシャゲをプレイしてきましたが、ここまで無課金勢に厳しいゲームは初め
てで、つくづく廃課金向けだと実感しています。
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=193225
「Vガンダム」雑感はお休み。次回再開予定です。
21/09/29
9月も終わりが近いのに窓の外からセミの声が聞こえてきたりと、まだ夏の空気が残っている感
じです。
「ゴルゴ13」のさいとう・たかを氏がお亡くなりになりました。享年84歳。仕事場は東京ですが花
巻に居を構えていて、漫画コンクールで審査員を務めたりと岩手にゆかりのある漫画家でした。
個人的には代表作の「ゴルゴ13」以外にも、子供の頃に読んだ「サバイバル」がかなり怖くて記憶
に残っていたりします。「ゴルゴ」はアシスタントが続けるそうですけど、「ビックコミック」創刊時から
ずっと連載を続けてきた巨匠が去ってしまったのは寂しい限りです。謹んでご冥福をお祈りしま
す。
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1354347.html
「Vガンダム」雑感の続き。4クール目に入ると個人的にはまたも雰囲気が少し変わったように感
じられて、「Vガン」はクール毎に特色のある作品に思えました。
4クール目で特に印象的だったのは「女」と「狂気」です。まさしくそれを体現するファラ・グリフォ
ンが40話から再登場し、以降女性が乱舞する戦場が続きます。すぐさまルペ・シノが新たな狂気
を示し、更には本来ラスボスとも言えるポジションのマリアですら狂気に飲み込まれて散ってゆき
ます。そしてより大きな狂気をまき散らす最後の敵カテジナと、「Vガン」4クール目は途切れること
なく「女」と「狂気」を描き続けました。
後年のインタビューによると企画時に富野監督が用意していた設定は「ギロチン」と「ファラ・グリ
フォン」と「エンジェルハイロウ」だけだったそうな。シュラク隊やバイク戦艦といった設定はスポン
サーからの横やりによる後付けで、それらの課題を消化しきった4クール目こそが、ある意味富野
監督が本来やりたかった「Vガン」だったのかしれません。だとするとテレビアニメとしては異常とも
言えるほど狂気を前面に出した作風は狙い通りだった訳で、何故このような作品をやろうとしたの
か、その意図やテーマが気になるところです(次回へ続く)。
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