おもひで

だいありーの過去ログです。

24/03/03

 3月に入って渡り鳥の群れが北へ帰ってゆくのを見かけるようになりました。一方で今まで降らな
かったぶんを取り戻すような連日の雪降りで、春が近いのやら遠いのやら。
 ちなみに今月の写真は地元のひな祭りイベントで撮った可愛らしいひな人形です。今日限定の
写真という気もしますけど、今月いっぱいこれで通します(笑)。

 「重戦機エルガイム」が40周年ということで、当時のプラモデルの再販や新規のプラモの発売と
色々動きがある模様。現在関東で永野護展を開催していてサンライズ時代の設定画も展示され
ているそうですけど、これも40周年に連動した企画なのでしょうか。
 永野氏がデザインしたヘビーメタルは二重関節やムーバブルフレーム(可動骨格)といった、後
のロボットアニメのデザインの基礎となる設計がふんだんに盛り込まれていて非常に革新的でし
た。が、デザインの評価に反して作品自体は今もって不遇な扱いを受けている印象があります。
作品の制作状況が少し複雑だったことと、永野氏のライフワーク「ファイブスター物語」との関連性
がややこしいため、関係者が積極的にコメントを発することがないのも一因ではないかという気が
します。
 リアルタイムで視聴していた当時は「メカデザインはカッコ良いけど話は微妙」といった印象でし
た。序盤こそ80年代ラブコメのテイストを滲ませた軽いノリで始まったものの、主人公達が反乱軍
に参加したあたりから人間関係がギスギスし始め、恋愛の三角関係がドロドロになってゆくにつれ
「いつもの富野アニメだなぁ」と個人的には冷めてしまう部分がありました。ストーリー自体とっちら
かっているというか、散漫なまま進行してビターエンドでさっくり終わってしまった感があります。次
回作が「Zガンダム」だったこともあり、私自身終盤は「エルガイム」への興味が薄れていたかもし
れません。
 そもそも放送開始時点で富野監督が「エルガイムは若手スタッフを育成するための練習台」と
発言し、「1年間放送する作品を練習台とは何事だ」とアニメ誌中心に大炎上した経緯がありまし
た。その時はまだ公には伏せられていたものの、アニメ誌サイドは「エルガイムはガンダム続編
へ向けての繋ぎにすぎない」という認識が既にあったようです。そのためかアニメ誌の特集もキャ
ラ人気やメカデザイン中心だったように思います。
 さらに富野監督は「若手スタッフにまかせる」と言って作品にあまり関わっておらず、それが制作
現場を余計混乱させることに。世界観を含めてデザインをしていた永野護氏と、シリーズ構成を
務めていた渡辺由自氏が現場を取り仕切っていたものの互いの主張が食い違い、スタッフは「そ
れぞれ言ってることがバラバラで、監督が3人いるような状況だった」と証言しています。シリーズ
全体の中だるみ感やグダグダ感はその辺に起因していたのかもしれません。
 ・・・って、回想していたら思いのほか長くなったので、この話題は次回へ引っ張ることにします。
年寄りの長話にもう少しだけつきあっていただけると助かります(苦笑)。
 https://hobby.watch.impress.co.jp/docs/news/1572841.html
 https://hobby.watch.impress.co.jp/docs/news/1572836.html


24/03/06

 毎日のように雪が降っていて、季節が逆戻りしているような感覚があります。

 「エルガイム」回想の続きです。当時のアニメ誌はストーリーよりも敵味方の恋愛模様を取り上
げることが多く、富野作品の中でもとりわけ女性ファンが多い印象がありました。主人公ダバを巡
るアム・レッシィの三角関係はもとより、アマンダラを巡るポセイダル・フラットのドロっドロな泥沼
愛憎劇も女性達を惹きつけていたように思います。まだトレンディドラマという言葉はなかったです
けど、それに通じる雰囲気があったのかもしれません。
 それと永野護氏のデザインするファッションが流行の最先端を取り入れていて、アニメと言えば
野暮ったい衣装ばかりだったところに革命を起こしたのも、女性ウケが良かった理由だった気が
します。永野氏はメカデザインが注目されがちですが、アニメ界のファッションセンスを底上げした
のも大きな功績だと思います。
 とはいえ「エルガイム」における革新的なメカデザインの数々はやはりインパクトが大きく、男性
ファンは細々と書き込まれた設定資料に目を輝かせたものです。当時の作画クオリティでは永野
デザインを十分に再現しているとは言い難く、デザイン画で脳内補完している向きはあったかもし
れません(苦笑)。と同時に、アニメ本編に出てこない所謂「裏設定」の多さが、ある意味問題でも
ありました。
 それまでのアニメにも本編で描かれない裏設定はあったものの、大きく取り上げられることは稀
でした。ですが「エルガイム」は数々の裏設定がアニメ誌に掲載され、ディープなファンほど裏設定
に食いついていました。勿論それを知らなくてもアニメを楽しむことは可能でしたが、例えば「エル
ガイムMk-2kの頭部は拾ってきたBテンプルの頭を流用したもの」なんて裏設定がいつの間にか
自明のように語られ、ファンも「次はどんな裏設定が明らかになるのだろう」と関心を寄せていた
印象があります。メディアミックスが多い昨今は「アニメで語られない設定を他の媒体で知ることで
100%作品を楽しめる」といった構造のタイトルが一定数ありますけど、「エルガイム」はその始祖
になっていた感は否めないかと。
 そして膨大な裏設定が別作品のように独り歩きし始めたのが、アニメ終了後にラポートと角川か
ら発売された「エルガイム」のムック本でした。そこには永野護氏によって描かれたアニメ未登場
のヘビーメタルと、アニメ本編から大きく逸脱した作品年表が掲載されていました。最終回で未登
場に終わったBテンプルの姿に歓喜したファンも多く(これも裏設定の一つですね。アニメでBテン
プルというヘビーメタルは出てこないのに、何故かみんな当たり前のように存在を知っているとい
う不思議)、これらムック本の独自設定が後のライフワーク「ファイブスター物語」へと結実していき
ます。
 そんな経緯があったためか、富野監督は「エルガイムは永野君のものだから」と言って放送終
了後は殆どコメントすることがありません。対する永野氏も「ファイブスター物語」へと換骨奪胎し
たためか「エルガイム」について触れることはなく、距離を置いている節があります(「ファイブス
ター物語」のネーミングやデザインの類似性でサンライズと揉めたという噂もありますが)。テレビ
アニメから数年後に制作されたOVAに両氏が全く関わっていないのも、「エルガイム」に対する二
人のスタンスを表している感じがします。その後雑誌等で「エルガイム」の特集があっても関係者
が口を開くことは少なく、冷遇されている印象のまま今日まで来ているといった状況です。
 だからこそ40周年を迎えた今年、富野ロボットアニメで唯一ブルーレイ化されていない「エルガイ
ム」がはたしてBOX化されるのか、非常に気になるところです(あと一度も再販されていないBGM
集も)。


24/03/10

 一日一回は雪の降る時間帯があって、3月という実感が薄いです。明日で東日本大震災から13
年ですが、震災当日も雪の舞う寒さだったことを思い出します。

 今日は盛岡で「アイドルマスター シンデレラガールズ」のライブがありました。さすがにこの年で
ペンライトを振り回す気力も体力もないですが、岩手で「デレマス」のライブはこれが最初で最後だ
ろうと思い、昼公演のネット配信チケットを購入して自室から参加。もっともライブ映像を見ていた
ら会場は3階まで満席だったので、どのみち現地のチケットは買えなかったでしょうけど。
 ネット配信でライブを見るのは初めてでしたが、現地の空気感を共有するのは無理でも、くつろ
いだ雰囲気でゆったり鑑賞できるのでこれはこれでアリだと感じました。元々マランツのネットワー
クプレーヤーにUSBでPCを繋いでいるので、自室のオーディオシステムでライブを堪能。臨場感
はそれなりに味わえた気がします。
 今回は出演者が7人と少人数だったので(普段のライブは30人以上の大所帯)ミニライブ的な規
模かと思っていたのですが、2時間近くあって内容的にも満足でした。関裕美役の会沢紗弥さんは
体調不良の長期休養から復帰したばかりなので心配もありましたけど、平常通りの電波発言を飛
ばしていてひと安心(笑)。それと小日向美穂役の津田美波さんが歌の途中に突然南部弁を入れ
て笑いを取る場面もあったりしました。
 「シンデレラガールズ」のライブはブルーレイを買って繰り返し見ていたりしますけど、初ライブで
緊張のあまり泣きそうになりながら歌っていたキャストの方が、舞台を重ねて堂々としたパフォー
マンスを披露している姿は胸にくるものがあります。その点で今回も「皆さんすっかり立派になっ
て・・・」と孫娘の成長を見守る老人の心境があったりなかったり(苦笑)。あとラスボスの一人と評さ
れる藤原肇役の鈴木みのりさんの生歌は、やっぱりレベルが違うと改めて実感。圧倒的歌唱力と
声量に感動しました。「喉からCD音源」と言われているのも納得です。
 ライブのアーカイブは一週間限定で再視聴可能ですが、何度でも見たいので是非ブルーレイ化
を熱望。他の公演と合わせてBOX化しそうな気もするのですが、さて。
 ちなみに物販コラボ商品は「ぴょんぴょん舎」の冷麺と「岩手サヴァ缶」の缶詰と「巌手屋」の生
南部サブレだそうです。岩手らしいチョイスと言えそう?
 https://idolmaster-official.jp/live_event/cg_unittour/information/iwate.php

 先週は衝撃的な訃報がふたつ。漫画家の鳥山明氏と声優のTARAKOさんがお亡くなりになりま
した。お二人ともまだまだ若いという印象だったので余計ショックが大きかったです。謹んでご冥
福をお祈り申し上げます。
 https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1574836.html
 https://www.famitsu.com/news/202403/09336974.html


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