おもひで

だいありーの過去ログです。

24/03/24

 4月並みの暖かさで、気の早いウグイスの鳴き声も聞こえた一日でした。

 前期から続いた2クールアニメ「葬送のフリーレン」が放送終了しました。原作は少年サンデー連
載のコミック。勇者一行が魔王を倒してから数十年、勇者メンバーの一人だった長寿のエルフ・フ
リーレンは、勇者の死をきっかけに人間の心を知る旅に出て・・・といったお話。
 本筋が終わったところから物語が始まる斬新な展開が話題を呼んだ作品で、売り上げの低迷
著しい少年サンデーが社運をかけてヒットへ導いたとも言われていたりします。アニメ版もこの作
品を放送するため新規にアニメ枠を作るほどの気合の入れようで(ただし金曜ロードショーの後な
ので放送が後ろにずれ込むのがデフォ)、アニメ自体も毎回劇場クオリティだったりと、予算のか
け方は相当なものだったのではと思えました。正直今のマッドハウスがここまでの作画レベルを
維持できたのは予想外でした。
 1000年以上生きながら人間に関心のなかった主人公フリーレンが、新たな弟子を育てたり昔の
冒険を振り返りながら少しずつ感情を知ってゆくという展開で、作風は終始物静かな雰囲気に満
ちています。「ちょっといい話」っぽいエピソードが多く、じんわりとした感動に包まれながら見終え
るのが心地よくもありました。時折描写される戦闘シーンが気合入りまくりで、作画や演出は一見
の価値あり。一方で台詞に頼らない芝居が多く、言外の意味を読み取る力が問われるので視聴
のハードルはやや高めだったかもしれません。
 いままでありそうでなかった作品という点では確かに目新しく、作品そのものも見どころが多い
ので評判の良さも納得なのですが、世代を問わず人気があるのは面白い現象だと思いました。
あくまで個人的な印象ですけど、これは80年代の少年サンデー黄金期を体験した世代へ送る「老
後を心豊かに楽しむための作品」に見えなくもありませんでした(苦笑)。原作は十分にストックが
あるそうですし、いずれは2期がありそうな気がします。
 https://frieren-anime.jp/

 もう一つ前期からのアニメ「薬屋のひとりごと」も放送終了。原作は主婦の友社の女性向けライ
トノベル。中国風のファンタジー世界が舞台で、薬に関する知識が豊富な少女が後宮で起こる事
件を次々と解決してゆくミステリー作品です。
 主人公が持ち前の知識で難事件を解いてゆくオーソドックスな内容でしたが、そこは女性向け。
イケメンがうざいくらいにつきまとったり、「それを袖にする私カッコイイ」な展開が多く、個人的に
は肌に合わない部分もありました。一方で娼館や後宮の詳細な描写が多く、よくアニメ化したもの
だと感心したり。2クール通して作画や演出のクオリティは高く、作品の質は安定していたように感
じました。
 最終回を終えた直後に2期が発表されました。原作は現在14巻まで出ていてアニメはまだ2巻し
か消化していないそうなので、今後も定期的にアニメが作られるのではないかと。女性向けな要
素が苦手でなければ男女問わず楽しめる作品だと思います。
 https://kusuriyanohitorigoto.jp/


24/03/27

 昨日は雪で今日は10度を超える暖かさ。この時期らしい三寒四温な天気です。

 去年から分割2クールで放送された「SYNDUALITY Noir」が終了。メディアミックスの一環で制作
されたオリジナルのロボットアニメです。荒廃した地球でメイガスと呼ばれるアンドロイド達と暮ら
す人類。伝説の楽園イストワールを目指す主人公カナタは、廃墟で花々に囲まれて眠る一体の
女性型メイガスと出会い・・・といったイントロ。
 オリジナルのロボットアニメということで期待していたのですが、1クール目から地味な展開が続
き、2クール目は戦闘シーンすら激減して更に地味な作風のまま終わってしまいました。バンダイ
的にはロボットのプラモデルを売りたいでしょうに、話が進むにつれて出番がどんどん減ってゆく
シリーズ構成によくOKを出したものです(もしや1クール目が不評で2クール目は予算が削減され
た?)。肝心の戦闘シーンも個性があるとは言い難く、ロボットの魅力をアピールしていたとはあま
り感じられませんでした。もう少しこの作品ならではの演出がほしかったように思います。
 登場人物たちも主人公含めてやや薄味な印象で、メインヒロイン・ノワールの二重人格は面白
いと感じたものの、それ以外はテンプレ要素の域を超えていないように見えました。特にラスボス
の男は序盤から思わせぶりな言動を重ねていたのに、目的が明らかになると途端に小物くさく見
えてしまって、ラストバトルがどうにも盛り上がらず終わってしまった感があります。
 メディアミックスの本丸であるゲームの発売が遅れまくっているようで、結局アニメ放送中にリ
リースできなかったのもマイナス要素でした。もしかするとアニメとゲーム両方に触れることで設定
や世界観をより深く理解できる構造だったのかもしれませんが、アニメのほうはざっくりと世界を
見せて終わってしまった感じでした。一人二役とも言える古賀葵さんの演技が一番良かったポイ
ントかもしれません。
 にしても、ロボットアニメ(特に富野作品)大好きな山本裕介監督、今作でもロボットアニメのオ
マージュを入れまくっていて思わず苦笑してしまいました。「ナイツ&マジック」でも毎回富野台詞
を言わせて原作ファンから批判がありましたけど、その頃と変わっていないような。
 https://synduality-noir.com/


24/03/31

 4月並みの暖かさが続いて、本格的な花粉症シーズン突入。週末は黄砂とのダブル攻撃で余計
つらかったです(苦笑)。

 今期のアニメ「勇気爆発バーンブレイバーン」が放送終了。大張監督によるオリジナルのロボッ
トアニメです。ハワイで米軍と自衛隊が演習をしている中、突如宇宙から謎のロボットが飛来。人
類の兵器では太刀打ちできず全滅しそうになった時、ブレイバーンと名乗るロボットがいきなり現
れ・・・といったイントロ。
 なんと表現してよいのやら、リアルロボットのふりをしたスーパーロボットのふりをしつつ結局は
ギャグアニメだったと思います(笑)。1話のインパクトは話題性として今期1番でしたけど、その後
はシリアスなのかギャグなのか判断に困る展開が続き、終盤はあまりにカオスすぎてどーいう感
情で見ればよいのか分からない感じでした。いつもの大張作品みたいに投げっぱなしではなく綺
麗に話を畳んだのは評価できますが、監督が見たかったロボットアニメの展開を全部詰め込んで
みましたといった印象で、1本の作品としてはあまりに無軌道すぎて戸惑いのほうが大きかったで
す。
 あと露骨なホモ描写が多くて、どういう層に向けた作品なのか分かりにくい向きもあったかと。
腐女子を取り込みたかったのかは不明ですが、ロボットアニメとしては異質な要素に思えました。
その辺がなければもう少し万人向けになった気がしなくもありません。
 終わってみれば「どう楽しめばよいのか分からない」作品でした。難しいことは考えずノリや勢い
を堪能するのが賢明なのかも?久しぶりに正統派なスーパーロボットアニメになるかと思ったの
ですが、今の時代にそういう作風はもう合わなくなってしまったのかもしれないと感じられた作品で
した。
 https://bangbravern.com/


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