おもひで
だいありーの過去ログです。
24/04/21
桜が散ってチューリップや菜の花が見頃になりつつあります。
先月「エルガイム」の雑感を書いたあとで、「昔の記憶だけで作品の内容を批判するのはフェア
じゃないかも」と思い、十数年ぶりにアニメ本編を見返してみました。・・・が、記憶以上にあんまり
な出来に感じられてしまい、「エルガイムってこんなに微妙な作品だったっけ」と余計イメージダウ
ンする結果に(苦笑)。
シリーズ中盤の中だるみが酷い印象は以前からありましたけど、20話くらいから40話近くまでホ
ントに毎回似たような話を繰り返していて、この辺をばっさりカットすればもう少しテンポが良くなっ
たのではと思えたり。せっかく13人衆という目新しい設定を作ったのに、シリーズ前半はネイと
ギャブレーしか活躍せず、小競り合いを繰り返すのみ。残りの大半は4クール目にまとめて出てき
て雑に退場してゆくのが実に勿体ないです。殆ど死に設定に近いと感じてしまいました。
シリーズ終盤は終盤で、ダバが「スターダスト作戦」なるものを思いついたのが38話、ダラダラし
ながら作戦準備をして実際に決行するのが48話という超スローペースぶり。しかもいつの間にか
最終決戦になってるし。それでいてその間に人員整理をするでもなく、逆にキャラが増えているの
が余計事態の混乱に繋がっているように見えました。
前にも書いたとおり元々全50話の予定が54話まで延長になったのですが、48話で敵本拠地に
侵入したダバ達が49話では何事もなかったように宇宙へ戻っている矛盾が目につきます。おまけ
に49話から51話をすっ飛ばしても問題ないような内容で、本当に急遽付け加えたエピソードだと感
じられます。作品全体のグダグダ感がここでも拭えず、放送延長が裏目に出ている印象は否めま
せん。
とまぁシリーズ構成のまずさが一番の問題だと思うのですが、それ以外にも微妙な点が目につ
いてしまったので、この話題をもう少し引っ張ってみることにします。「エルガイム」ファンにはやや
耳障りな感想が続きますが、ご容赦を。
「ウマ娘」エスポワールシチー役・亜咲花さんの「競馬にハマり大きく変わったこと6選」という呟き
に思わず笑ってしまいました。特に「自分のおじいちゃんを母父と呼ぶ」って、競馬やってる人は
皆さんそーなんですか?確かに普段からサラブレットの血統を眺めていたら無意識に出てしまい
そうではありますが(競走馬は母父の血筋が重要)。
そもそも亜咲花さんは「ゆるキャン△」等の主題歌を担当しているアニソン歌手ですけど、「ウマ
娘」にハマったことでリアルな競馬にも手を出して沼へと沈み(苦笑)、さらには「ウマ娘を演じたい」
との一心で声優にもなったという経歴の方だったりします。今では中央・地方問わず馬券を買い、
競馬の番組にも出演。おまけに自分のライブは競馬のレースとかぶらないようスケジュールを組
むほどの競馬中毒・・・もとい競馬ファンに。ある意味次々と夢を叶えた凄い人ではありますが、微
妙にネタっぽく見えてしまうのは気のせい?(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=715Zsn8N_Gw
24/04/24
先週が暑いくらいの気温だったので、平年並みに戻った今週は少し肌寒く感じます。
「エルガイム」雑感の続きです。改めて視聴してみたら、時代の変化によるものか加齢による価
値観の変化なのか(笑)、「ダバってこんなに魅力のない主人公だったか?」という印象を抱きまし
た。
シリーズ序盤のダバはキャオともども若者特有の軽いノリだったのに、宇宙船を奪ったあたりか
ら強引さが目につくようになり、なりゆきで反乱軍に入った頃には妙にピリピリした性格に(しかも
キャオに相談もせず突然反乱軍に入ると言い出すし)。そして反乱軍のなかでは下っ端のはずな
のに、上官の作戦には毎度反対して自分の意見を押し通したり周りに命令したり・・・はダバに限
らず正規軍に入ったギャブレーも同様なので、若者はこのくらい傍若無人なほうが「らしい」という
富野監督のイメージだったのでしょうか?
ダバの性格のキツさは反乱軍のリーダーに据えられたあたりでピークに。アムやレッシィにまで
怒鳴り散らしてばかりですし、惚れた弱みとはいえ二人がずっとダバにくっついてるのが不思議に
思えるのは、令和の時代に視聴したからでしょうか。今なら「DV男」とか炎上しそうな気がしなくも
なかったり(苦笑)。ただリアルタイムで見ていた頃(私は中学生でした)も、このあたりのギスギスし
た雰囲気は好きではなかった記憶があります。
シリーズ後半も妹のクワサンが出てくるたびにダバは独断で暴走し、組織の長としては褒められ
たものではないと感じました。クワサンを取り戻すためアムやレッシィの恋心すら利用している素
振りがありましたし、もう少しリーダーとしての才能やカリスマ性みたいな描写がほしかった気がし
ます。考えてみれば富野作品で主人公が組織のトップというのは珍しいので、手探りで試行錯誤
していたのかもしれません。ともかく現在の視点ではお世辞にも魅力的には見えない主人公像で
した。
余談ですが、「エルガイム」の4年後に富野監督が執筆した小説「シーマ・シーマ」は設定からス
トーリー、結末に至るまで「エルガイム」に酷似していて、富野監督が本来やりたかったのはこうい
う話だったのかなと感じました。今となっては入手が難しいかもしれませんけど、興味のある方は
ご一読をお勧めします。私は富野小説のなかでも結構好きな作品です。
http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-398.html
24/04/28
再びの夏日。初夏のような暑さのゴールデンウィークです。
「エルガイム」雑感ラスト(多分)。これは不満というより勿体ないと感じたことですが、世界観の作
りこみが甘いように見えました。せっかく4つの星を巡って戦っているのに惑星毎の特色が薄く、
「今どの星にいるんだっけ?」となることがありました。もっと分かりやすい特徴があったほうが良
かったのでは、と思ったり。おまけに作中に出てくる動植物が地球と同じだったり街中に日本語の
看板があったりで、「ダンバイン」であれほど異世界の設定を突き詰めた富野監督とは思えない
ほど設定がアバウトに感じられました。
「エルガイム」は元々富野監督がファーストガンダムの頃に書いた企画書が原点になっているそ
うで、それをベースに永野氏が世界観を作りこんだ模様。その時点でどこまで詳細な設定を決め
たのかは不明ですけど、現場スタッフに投げていた部分もあったのではないかという気がします。
あと本来「5つの星から成る太陽系」という設定なのに、5番目の惑星に一切触れなかったのも描
写不足に思えました。そのため富野監督が作詞した挿入歌「傷ついたジェラシー」の歌詞「5つの
星を掴めるなら」が意味不明なものに(笑)。
一方で、改めて視聴したら終盤のフラット、ミアン、アマンダラのドロドロ愛憎劇が面白くて、年齢
によっても印象が変わるものだと実感。ともすればダバ達のラブコメが子供の恋愛ごっこに感じら
れてしまうのは、私が年をとったからでしょうか(苦笑)。とりわけシリーズ前半で多用されたラブコメ
表現は今の時代からすると古臭さが否めず、若い世代が視聴するには厳しい部分があるかもし
れません。もっとも「エルガイム」に限らず当時はああいうノリが普通だったので、時代を表した演
出としてある種のレガシーとも言えそう?
十数年ぶりに見返した「エルガイム」は以前よりも色々と粗が見えてしまいましたが、同時に次
回作「Zガンダム」のプロトタイプとも言える要素が散見されて面白くもありました。ただ富野監督
は「一年かけて若手を育てる」と公言したものの、残念ながら育ったスタッフの多くが「Zガンダム」
には参加していない、もしくは途中で降板しているという事実もあったりします。その点では「エル
ガイム」の存在意義に疑問符がなくもないのですが、40周年を迎えた今年、改めて作品を評価す
るタイミングになれば、と思う次第です。
前期視聴していたアニメの中で、この場で取り上げることのなかった「メタリックルージュ」という
作品。途中何度も視聴をやめようと思いつつ一応最後まで見たのですが、結局感想を書く気には
なりませんでした。で、私が感じていた不満点とほぼ同じことを語っている動画があったので紹
介。ホントに「このスタッフが集まってこの出来?」という落胆が大きいアニメでした。何故こうなっ
たのやら。
https://www.youtube.com/watch?v=B_ZWzLaDVF0&t=526s
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