雑感14 Zガンダムにおけるニュータイプ表現

 BS11の「Zガンダム」再放送は47話まで進行。いよいよ終盤です。レコアやロザミア関連でグダ
グダやっていた42話まで(笑)から一転、43話から話が一気に動き出しました。33話でアクシズ軍
が登場するも43話まで殆ど物語に絡んでこなかったので、その間のエピソードは元々予定してい
なかったものを差し込んだのではないかとも勘ぐってみたり。「ZZ」の製作が決まってどれだけシ
リーズ構成が変わったのかは分かりませんが、3クール目の中だるみ感と、43話以降の駆け足
気味な展開を見ていると、そんなことを邪推してしまいます。
 そのなか、ひときわ異彩を放っているのが46話「シロッコ立つ」ではないでしょうか。いつもと印
象の違う濃ゆいキャラ作画、「マクロス」のような派手な動きをするモビルスーツ、「幻魔大戦」のよ
うな超能力オーラ演出と、本放送でこの回を見た時はかなり違和感を覚えたものでした。とりわけ
モビルスーツの動きに関しては、それまで地味な戦闘シーンが多かったこともあり別作品のよう
に感じられたものです。当時中学二年生ながら「こーいう演出や作画をよく富野監督がOKしたな
ぁ」と思ったものでした。80年代は個性的なアニメーターが脚光を浴びていた時期なので、ここま
で独自路線をやっても異色回くらいの印象で済みましたけど、今だったら作画崩壊とか言われて
叩かれそうです(笑)。
 ただニュータイプに関する表現で「幻魔大戦」みたいな描写をしたこと(アニメ誌では後にオバケ
描写と記載)には、個人的に当時から反発を覚えていました。ファーストガンダムであれだけ超能
力とニュータイプは異なると言っておきながら、「Z」でこういう表現を取り入れてしまうのは何か違
うんじゃないかと、そんなことを思ったものです。そもそも富野監督が「Z」放送開始直後のインタ
ビューで「Zガンダムは正義と悪のニュータイプの戦いになるのではないかと噂されていますが」と
訊かれて、「幻魔大戦じゃないんですから、違います」と答えていたのに、結局「幻魔大戦」っぽい
表現をやっているのはどーなのよ、と(苦笑)。中二病真っ盛りだった当時の私はそんな反発をし
ていました。このオバケ描写は「ZZ」でも継承されますが、結局「逆シャア」以降は使われなくなっ
たので富野監督も何かしら思うところがあったのではないかと、そんなことを考えてみたり。ともか
く色々と異色で印象に残った46話でした。

                                                   (18/01/10)


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