雑感6 レコードとCD
「Zガンダム」にまつわる思い出話。今回はアニメ本編から少し離れて、レコードとCDについてで
す。
「Z」放送当時CDはまだ黎明期で(CDが初めて発売されたのが82年、「Z」の放送は85年)、主流
はレコードでした。「Z」の主題歌シングルもレコードで発売されましたが、オープニングとエンディン
グが別々にリリースされるという当時としては異色の形式でした(今でこそオープニングとエンディ
ングのシングルを別々に売るのが当たり前になっていますけど、昔は一緒に収録されるのが普通
で、別売りが定着したのは2000年代に入ってからという印象があります)。そしてエンディング曲の
「星空のBelieve」はシングルとして標準的なEPサイズではなくLPサイズのレコードで発売され(12イ
ンチシングルと呼ばれていました)、これも当時は新鮮でした。ジャケットには歌っていた鮎川麻弥
さんの写真がメインに使われていて、アニメソングというより普通のJ-POPレコードという装丁で、
レコード会社がなんとかアニソンのイメージを払拭しようとしていた感じがしなくもなかったり?(苦
笑)ちなみに両シングルとも私はいまだに所有していたりします(あと後期オープニングのシングル
も)。
余談。レコードにはEP盤とLP盤の二種類のサイズがあり(厳密にはSP盤というのもありました
が、数は少なかったようです)、シングルはEP盤という小さいサイズのレコードが一般的でした。こ
のEP盤は片面6分かそこらしか録音できず、劇場版「マクロス」の主題歌「愛・おぼえていますか」
はフルサイズだと6分を越える長さがあったため、シングル発売時には間奏をカットして無理矢理
収めるという荒技を使っていました。そのため今でも「愛・おぼえていますか」はシングルバージョ
ンとロングバージョンの2種類が存在していたり。で、話を元に戻すと、12インチシングルで発売さ
れた「星空のBelieve」のB面には、録音可能時間の長さを利用してオープニング曲「Z・刻を越え
て」のロングバージョンが収録されています(間奏部分が長く、アレンジの一部や曲の終わり方も
微妙に違います)。昨今は「Z・刻を越えて」というとこちらのロングバージョンのほうが人気がある
ようで、オリジナルバージョンが傍流になりつつある印象が?
当時はレコードが主流だったと冒頭で書きましたが、「Z」のサウンドトラックについては本放送時
にCDも発売されました。アニメのCDがレコードと同時にリリースされるようになったのはこの頃か
らだったと記憶しています(同年だと「ダンクーガ」のサントラもCDで発売)。「Z」のサントラはレコ
ード及びカセットで3枚(Vol.1~3)発売されましたけど、CDについては収録可能時間の長さを利
用して、Vol.1と2をまとめて1枚に収めるという変則的な形式でした(なのでレコードのVol.3がCD
ではVol.2というややこしいことに)。とはいえレコード2枚分全てをCD1枚に収録するのはさすが
に無理があり、抜粋+未収録曲というなんともマニア泣かせな仕様に(笑)。その頃のCDプレーヤ
ーは非常に高価で、中学2年生だった私はもちろん持っていなかったのですが、レコードでは聴く
ことのできない未収録曲に釣られて(苦笑)無謀にもサントラCDを購入。これが人生で初めて買っ
たCDでした。オーディオマニアの父からCDプレーヤーをお下がりで譲り受けたのは私が高校生
になってからだったので、それまでは銀色の盤面をただ眺めるだけの日々だったという(笑)、な
んとも若さゆえの暴走とも言える買い物でした。おまけにその数年後には完全版と称した2枚組
のサントラがリリースされて(現在も発売中)、未収録曲はレアでもなんでもなくなったというオチま
でつく結果に。ちなみに人生2枚目のCDは今でも購入が可能な「ガンダムシングルヒストリー」(フ
ァーストガンダムから「ZZ」までの主題歌をまとめたアルバム)でした。30年以上現役で販売し続
けているのですから、このアルバムもある意味凄いような。
レコードとCDが併売されていたこの頃は、ボーナストラック的な感じでCDだけ収録曲が多いとい
うケースがありました。私が所有しているなかにも、「交響組曲超人機メタルダー」(CDのみ2曲多
い)徳永英明「BIRDS」(CDのみ1曲多い)といったものがあります。レコードと比べてCDは収録時
間が長いことをアピールする意味合いがあったのかもしれませんが、レコードを知らない世代から
すると不思議な差別化に見えるかもしれません。
とまぁ、「Z」にかこつけて無軌道に昔話をしてみました(笑)。物心ついた時からCDがあった世代
には普通なのでしょうけど、初めてCDの音を聴いた時は「こんなにクリアで、しかも何回再生して
も劣化することがないとは!」と感動したものです。もっとも最近では再びレコードがブームになっ
ていたりするようなので、時代が一回りしたと言えなくもない?
(17/03/29)
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