おもひで

だいありーの過去ログです。

16/08/03

 昨日は午後からゲリラ豪雨になり、盛岡では観測史上2番目に多い雨量だったとか。それでも
夜にはしっかりさんさ踊りを実施したそうで、祭りにかける執念を見た思いがしたり?ちなみに今
月の写真は気仙沼市で撮った海鵜(?)です。

 「マクロスΔ(デルタ)」18話。敵が占拠しているプロトカルチャー遺跡に潜入したハヤテ達。そこ
でフレイアは同郷の敵パイロットに遭遇し・・・。
 美雲にラスボスフラグが立ったり、フレイアの歌声も凶暴化の原因になりそうだったりと、歌が凶
器や兵器になってしまう危険性が明確になってきた感じです。黒歴史となってしまった(苦笑)OVA
「マクロスU」でも敵が歌を兵器に利用していましたけど、似たような状況になってきている?人々
を救うはずのワルキューレの歌がどこか攻撃的だったり破滅的だったりする印象があるのも、こ
のテーマと関係している・・・と考えるのは深読みしすぎでしょうか。何にせよ、どんどん救いのない
方向に進んでいる感じで、先行きが不安になってきたり。

 間が開いてしまいましたが、書きたいネタがまた溜まってきたので「アイカツ!」雑感再開です。
今回は作中で徹底されている敬語について。
 放送中の感想でも少し触れましたが(15年10月2日)、 この作品は敬語の使い方が徹底されて
いて、その点でもお仕事アニメとして非常に秀逸な印象があります。例えば星宮いちご達が通うス
ターライト学園の織姫学園長は、自分の学校の生徒は常に「星宮」や「大空」と名字を呼び捨てに
し、他校の生徒は「音城さん」「藤原さん」と、たとえ中学生であってもきちんと敬称をつけて呼びま
す。学園長の場合は大人であり作中でもトップに立つ人物なので、生徒の呼び方を峻別している
のは当たり前とも言えますが、感心するのは中学生や高校生であるヒロイン達も敬語をきっちり
使いこなしている点です(例を挙げるとキリがないので省きますが、尊敬・丁寧・謙譲語の使い分
けもほぼ完璧)。
 初代主人公・星宮いちごはトップアイドルである神崎美月に憧れてアイドルになりますが、1期序
盤はファン目線でいることが多く、霧矢あおい達と美月の話題をする時は「美月ちゃん」と呼んで
いました。ですが美月と一緒に仕事をするようになり、彼女が目標でありライバルであると自覚し
たあたりから、呼び方が「美月さん」に変わります。対する神崎美月も、1期序盤は星宮いちごの
ことを「いちごちゃん」と、新入生を可愛がる感じで呼びかけていました。ところが16話で一緒にス
テージに立つことになった時から、「星宮」といきなり呼び方を変えます。当の星宮本人もこの変化
に大きく戸惑うのですが、校外でプロとして仕事をする以上当然の態度であり、同時にそれは美
月がいちごを対等のライバルになりうると認めた瞬間でもありました(この回はいちごが芸能界の
暗黙のルールを色々叩き込まれた一方、シリーズ序盤の挫折エピソードにもなっていて、それま
で天性の才能で乗り切っていた彼女が、初めて自分の能力不足を悔しがり涙する重要な話数で
もあります)。同様に、普段は電波な言動の有栖川おとめや高飛車バンパイアを演じている藤堂
ユリカ様も、美月や年上に対してはきちんと敬語で話していて、それが彼女達のプロ意識の表れ
にもなっていると感じたり。昨今のアニメの中でもとりわけ大人キャラが多い作品だけに、余計敬
語を使っている場面が目につくのかもしれませんが、だからこそヒロイン達がしっかり仕事をして
いるという印象を与えている側面があるのではないかと。
 言葉遣い以外で印象に残ったのが、3期の125話、星宮いちご達に差し入れを持っていった大
空あかりが、うっかり差し入れのドーナツをいちご達より先に口にしてしまったシーン。「差し入れ
なのに先に食べてしまいました」とあかりは落ち込むものの、あおいやいちごが「私も食べたから
大丈夫」とドーナツを頬張ってフォローします。先輩達と一緒に食べようとして口をつけたのが少し
早かっただけなので、放送を見ていた子供の中には「何故あかりちゃんは落ち込んだの?」と理
解できない子もいるかもしれませんが、こういうシーンをあえて入れるスタッフのこだわりに私は非
常に感心しました。ちょっとした場面でも礼儀やマナーの大切さを伝えることは可能という好例で
はないでしょうか。もっとも、あかりは気配りのしすぎでユリカ様にたしなめられたこともあったりす
るので(劇場版1作目)、反面教師的役回りになっている感じはありますが(笑)。そう言えば、普
段は「星宮先輩」と呼んでいるのに、星宮いちごが好きで好きで大好きすぎて(LikeではなくLove
状態)、ヒートアップするとうっかり本人に対しても「いちごちゃん」と言ってしまうドジっ子属性でも
ありましたっけ。
 敬語に関して感じ入った例をもう一つ。4期で新キャラの大地のの・白樺リサがスターライト学園
に編入してきた時のことです。二人は大空あかりと同学年(中学2年生)で、対して3期後半から
登場した黒沢凛・天羽まどかは後輩の中学1年生。のの・リサコンビは最初芸能界の先輩である
凜・まどかに敬語で話しかけますが、二人は「自分たちのほうが年下ですから」と、呼び捨てにす
るようお願いします。芸能界のルールからすれば1年生コンビのほうが格上になるのでしょうが、
そこは学生ということで普通に年齢で区分したといったところでしょうか。大事なのは敬語を使い
分ける理由をきちんと説明したうえで、以降それが徹底されていることです。小さな子供がメイン
ターゲットの作品としては、こういう描写はとても重要であり、おろそかにしないあたりは本当に素
晴らしいと思いました。
 他にも、たとえ上級生や同級生であっても学校外の人へ紹介する時は呼び捨てにしたりと、社
会人としてのマナーが常に遵守されていて、ささいな場面でもけして手抜きすることなく描写されて
いることにたびたび感心させられます。もしかすると小さな子供には分からないかもしれませんけ
ど、将来の糧になることですし、けして無駄ではないと私は思います。むしろこういう部分を完全ス
ルーしているアニメが多いことのほうが憂慮すべき問題な気がしたり(笑)。ともかく、こういった要
素も「アイカツ!」を仕事アニメたらしめていると思える次第です。


16/08/07

 全国的に猛暑が続いていますが、岩手も連日真夏日です。暦の上では今日が立秋でもう秋だ
そうですけど、どこからどう見ても真夏です(苦笑)。

 「クロムクロ」18話。初めて給料をもらった剣之介は、クラスメイトと一緒に温泉へ行くことに。け
れども泊まったペンションには風呂がなく・・・。
 前回ロボットアニメ的に盛り上がったと思ったら、いきなりの温泉回でした(笑)。でも最後の最
後でシリアス展開になるあたり、一応終盤へ向けて話が動いているっぽい?
 全裸のままキャトルミューティレーションされてしまった由希奈ですが、これで次回服を着ていた
らツッコミいれますよ(苦笑)。視聴者のためにも、敵さんは無粋な真似をしないでいてほしいもの
です。

 「アイカツ!」雑感。今回は1期・2期と、主役が交代した3期・4期との世界観の微妙な相違につ
いて。ネット上での感想を読んでいると、3期・4期は1・2期の縮小再生産にしかならなかったの
で人気が出なかったという批判をたびたび目にするのですが、シリーズを通して見ていると結構違
いが大きいと感じられたので、その辺に触れてみたいと思います。
 1期のシリーズ開始当初はスタッフも視聴者も手探り感があって、割と「どこまでリアル寄りで、
どこまでフィクション寄りな作品」なのか不明な印象がありました。作品のキモとなっているアイカツ
カードと、それを使ったアイカツシステムについて具体的な説明がなかったため、あのライブシー
ンが現実のライブなのかバーチャルなものなのか判然としない、という点も曖昧な世界観に感じら
れた一因だった気がします(恐ろしいことに、実はいまだに全然説明がないのですが)。制作陣も
企画当初は「アイドルでスポ根もの」という方向性でスタートしたものの、放送開始直後に「アイド
ル同士が足を引っ張り合ったり嫉妬したりするようなドロドロ路線はやめる」という方針になったた
め、最初は割と方向性がフラフラしていたようです。
 そんな中で世界観を決定づける発端となったのが、1期序盤の9話です。期末試験とも言える重
要な学内ライブで着るプレミアムドレスのレアカードを手に入れるため、星宮いちごは大好きなブ
ランドのデザイナーの家へ向かいます。そこは高い山の上にある屋敷で、本来は高速エレベータ
ーを使って訪問するのですが、道を間違えたいちごはなんと険しい崖を素手で登り始めてしまい
ます。超短いスカートが翻るのもなんのその(笑)、いちごは崖を登り切り、その根性に感動したデ
ザイナーはブレミアムドレスのカードを渡します。この時点で視聴者は「ホントにこれはアイドル活
動なのか?」とツッコミを入れ始め、「何やら普通のアイドルアニメじゃないぞ」と薄々感じ出すの
ですが、その数週間後、1クール目を象徴する名エピソードの12話が様々な意味で以降の「アイカ
ツ!」を運命づけることに。
 12話はクリスマスのお話。学園内がパーティの準備で盛り上がるなか、いちごは元気のないクラ
スメイトがいることに気がつきます(余談ですが、このクラスメイトを演じているのが現在多数のア
ニメでメインヒロインを担当している雨宮天さんだったり)。聞けば、これまではアメリカで両親と一
緒にクリスマスを過ごしていたが、今年は会えなくて寂しいとのこと。特にニューヨークの巨大ツリ
ーが思い出に残っているという話を聞いて、いちごはクラスメイトのために巨大ツリーを再現する
と約束。斧を手に9話で崖登りをした山へと向かいます。親友の霧矢あおい、紫吹蘭、それと特番
で撮影に来ていたテレビ局スタッフまで巻き込んで、吹雪の荒れ狂う八甲田じみた雪山を進軍。
斧とノコギリを使って巨大樹木を伐採し(この時の切り倒し方がプロ並みの手際で、妙なところに
凝りすぎだとこれまた評判に)、更には倒した樹木に乗っかって崖を滑走、無事学園まで運搬し巨
大ツリーを完成させるという超離れ業をやってのけます。この時蘭が冷静にツッコんだ「これって
アイカツか?」という台詞がまさに視聴者の気持ちと見事にシンクロし、1期・2期を象徴する名台
詞として作中でもファンの間でもツッコミの際使われ続けることに(苦笑)。更にこのエビソートは後
に2代目主人公・大空あかりがアイドルになることを決意するきっかけにもなり、シリーズを通して
重要な位置づけとなっていきます。ともあれ、制作しているスタッフもこの回を見て「ここまでやって
もいいんだ」と思ったそうで、以後「アイカツ!」は常人のレベルを超えたアイドル活動を繰り広げ
てゆくことになります(笑)。
 12話を契機に「アイカツ!」は様々な方向で暴走してゆくのですが、3期で主役が交代となり、そ
のタイミングで暴走が一度リセットされたと個人的には感じていたりします。両者の方向性の違い
が明確に分かる(と私は思っている)のが3期の148話なのですが、またまた長くなりそうなので今
回はここまでということで。

 ・・・あれ、今回は小ネタ的な話題であっさり書き終える予定だったのに、何故前置きだけでこん
なに長くなっているんだ?(苦笑)


16/08/10

 2週間近く真夏日が続いているせいで、最近は夏バテ気味で食欲が落ちているのが困りもので
す。

 「マクロスΔ(デルタ)」19話。ハヤテと美雲が昏睡状態のさなか、マクロスに怪しげな武器商人
が乗り込んできて・・・。
 前回の感想通り、作中でもはっきりと「歌は兵器」という台詞が出てきました。やはりこれが今作
のテーマの一つのようです。ミンメイの歌まで兵器だったと明言されたのはやや複雑な心境でした
が。
 今回は初代マクロスから前作「F」までをざっとおさらいする内容で、初代テレビシリーズの主題
歌が流れてきた瞬間はちょっと感動してしまいました(今回のコンテ担当が初代マクロスで河森氏
が使用していたペンネーム・黒河影次になっていてニヤリ)。ただ映像は「愛・おぼえていますか」
なのに使用された歌は「愛は流れる」(テレビシリーズの曲)だったりと、初代マクロスは折衷案に
なっているあたりが微妙に中途半端?もっとも「マクロス7」の頃からそういう方針でしたし、ある意
味一貫しているとも言えますが。とりあえず、「F」と今作が物語的に繋がっていると判明しただけ
でも、設定の種明かしとして重要回だったと思います。

 「アイカツ!」雑感。前回の続きです。1期の12話を契機に登場人物がどんどん人間離れしてい
った「アイカツ!」ですが(笑)、その後も美月が用意したオーディションで「風雲たけし城」もびっく
りなアスレチックに挑んだり、強風で空高く飛ばされたユリカ様が怪我一つなく生還したり、いつの
間にか崖登りがアイドルとして必須科目になっていたりと(苦笑)、1期・2期はマンガちっくな描写
が増えていった印象がありました。
 キャラクター設定にしても、アメリカで大手寿司チェーン店を経営する社長の娘で、登場時には
よくパラシュートで降下してくる一ノ瀬かえでをはじめ、幼い頃はモロッコで暮らしてボヘミアンとも
知り合いだった風沢そら、超お嬢様で高原の屋敷に住み、自家用ヘリを何台も所有している姫里
マリア等、およそ「普通」とは程遠い身の上のアイドルが次々と登場します。この「なんでもアリ」感
はどこか「うる星やつら」に通じるノリだったのかも、と今になってみれば思えたり。
 ですがレギュラーキャラが交代した3期以降は、こういうぶっ飛んだ設定や展開は鳴りを潜めま
す。才能に欠けどん底からのスタートだった主人公・大空あかり、姉に勧められてアイドルになっ
た氷上スミレ、幼い頃から芸能界にいたため必要以上に場の空気を読んでしまい、自分の意見
がなかなか言えない新条ひなき、女優を目指しているけれども母が大物女優のためそれがコンプ
レックスになってしまっている紅林珠璃と、登場人物達の設定からもその違いが読み取れるかと。
ストーリーもこういった設定を反映して、割と等身大で地に足のついたエピソードが占めるようにな
りました。もしも3期以降作品として失速したという指摘があるとすれば、全体的に地味な方向性
になってしまった側面はあるかもしれません。
 んで、やっと本題の148話についてです(苦笑)。この回では、新条ひなきが先輩の神谷しおんに
差し入れを持っていこうとするシーンがあります。しおんは1期の14話から登場、女優一筋のアイ
ドルで、初登場回では役作りのため伸ばしていた髪をばっさり切ったりと、とにかく役になりきるこ
とにこだわる女の子です。148話ではついに映画の主役に抜擢、忍者が活躍する時代劇というこ
とで、しおんは忍者になりきるため一人で山ごもりをします。そこへ陣中見舞いとばかりにひなき
が差し入れを持ってゆくのですが、しおんの修行場所は断崖絶壁の吊り橋を渡ったり、人跡未踏
の山奥をどんどん分け入ったりと、およそ常人が辿り着ける地ではありませんでした。完全にヘト
ヘトになりながらやっとの思いでしおんに会ったひなきですが、当の本人は木々を自在に飛び移
ったり忍術を駆使したりと、スタントも特撮も不要な超人ぶりを会得し、身も心も完璧な忍者になっ
ていました(ちなみにしおんが演じる忍者はどこからどう見ても「仮面の忍者赤影」で、特撮版オー
プニングのパロディシーンもあったり)。
 あくまで普通の女の子の範疇にとどまるひなきと、人間を超えた能力を発揮するしおん、この両
者の違いが1・2期と3・4期の方向性の違いを象徴していると私には感じられました。大空あかり
達が常々先輩達のアイカツを凄いと感心するのも道理、ある意味住んでいる世界が違う訳です
(笑)。そして異なる二つの世界観を、割と違和感なくスムーズに繋げているあたりがこのシリーズ
の懐の深さではないかと、そんなことを思ったりもします。
 それとよく批判として出される「縮小再生産」という指摘ですが、3・4期が1・2期のシリーズ構成
をなぞっていたのは、実は3期の1クール目だけだったりします。3期の2クール目からは、大空あ
かり達が自分なりの得意分野を見つけて更にアイカツを深めるという方向へシフト(あかりは中学
2年生にしてお天気キャスターという天職を得ることに)。他にも他校のアイドルが交換留学生とし
てやってきたりと、明らかに1・2期とは違う題材を描いているので、縮小再生産という批判はいさ
さか的外れなのではないかと思う次第。4期なんて中学生なのにあかり達が全国行脚しちゃいま
すしね(苦笑)。なので3・4期を考察するならもっと違う視点が必要だと感じるのですが、それにつ
いては私もまだ模索中といったところです。
 ・・・と、ここまで書いてふと思ったのですが、この世界観の違いって初代「ウルトラマン」と「帰っ
てきたウルトラマン」の関係性に近いのではないかと。時代設定をあえて曖昧にし、未来志向で割
となんでもアリな世界観だった初代のウルトラマンと、昭和40年代を意識した舞台設定でリアルな
人間模様や社会問題をドラマに盛り込んだ「帰ってきたウルトラマン」、でも両者はシリーズとして
繋がっていて、初代ウルトラマンが「帰ってきた〜」にゲスト出演した回もあったりする。まさしく「ア
イカツ!」に通じるものがあると思えるのですが、我田引水すぎる仮説でしょうか(苦笑)。


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